コールセンターの応答率改善方法を徹底解説|原因分析と課題別の具体的施策

作成日:2026年2月12日 更新日:2026年2月12日

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コールセンター業務において、応答率は重要なKPIとなります。問い合わせに対してレスポンスをすることが、顧客に対する信頼や顧客満足の土台となるためです。しかし、応答率を高められないことが課題となっているコールセンターもあります。応答率はどのように改善すればよいのでしょうか。


本記事では、応答率の改善方法を解説します。応答率の概要と重要KPIである理由をあらためて確認し、低下の原因分析、課題別の具体的な施策、自動化ツールによる改善、改善効果の測定方法まで詳しく記載していますので、コールセンター業務の改善にお役立てください。

応答率とは

応答率とは、コールセンターにおける着信に対応ができた件数を表す指標です。あらためて、算出方法について確認しておきましょう。


●応答率の定義

応答率=対応件数÷着信件数×100(%)

応答率はコールセンターへの電話のつながりやすさを明確に表します。曜日や時間帯などにより呼量には波があるため、一定スパン(例:1時間)ごとに計測し、安定して一定の応答率を残せているか確認することが一般的です。

応答率がコールセンター業務で重要KPIとなる理由

顧客はコールセンターに課題の解決などを求めて電話します。発信をしてもコールセンターが応答できなければ、顧客の課題の解決には至りません。


また、コールセンターは顧客と企業の重要な接点・窓口です。応答率が低い、電話がつながりにくい状況は、企業の提供するサービスやブランドの信頼を損ねてしまいます。サービスに対するネガティブな顧客体験はSNSなどで拡散されやすく、直接問い合わせを行った顧客以外もサービスから離脱することにもつながり得ます。


したがって、コールセンターでは応答率をKPI(重要業績評価指標)として重視すべきといえます。顧客がコールセンターを通して受ける企業・サービスへの印象の一端を、応答率は具体的な数値として表しているためです。


応答率以外に考慮すべき指標としては、放棄率、平均応答速度(ASA)、平均通話時間(ATT)、オペレータ1人が1時間で対応した呼量(CPH)などがあります。応答率と合わせて測定し、改善対象となります。


コールセンターのKPIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コールセンターで重要なKPI一覧!KGIから逆算し目標達成するコツを紹介

顧客の応答率ごとの感じ方とKPIの目安

応答率の数値ごとに顧客はどのように感じているのか、一概には表すことはできませんが下記に例を示します。応答率をKPIとして設定する目安の一つとしてください。

応答率 顧客の感じ方

90%以上

ニーズに応えられている

80~90%未満

つながらない場合がある

50~80%未満

つながりにくい時間がある

50%未満

つながらない

提供するサービスや事業規模などによっても異なるものの、一般的には80%~90%以上などが理想、目標とされることが多いです。

なお、応答率を改善する施策と測定のサイクルについては、本記事の「改善効果の測定とKPI設定の方法」を参照ください。

応答率の低下が発生する主な原因

コールセンターの応答率が低いほとんどのケースで、下記の一つまたは複合した原因が存在します。また、それぞれの原因は相関関係を持っている場合があります。


原因の特定は対策を行う上で必須です。いずれに該当するかを分析・把握し、改善施策につなげましょう。

人員配置不足

コールセンターへの人員配置が不足している場合です。想定の着信数と実際の着信数の差異により発生します。


人員が不足すると着信に応対しきれないため応答率が下がることは明らかです。


また、人員配置不足はより詳細に下記のように分けることができます。

  • コールセンターの業務規模に対して適切な人数が配置されていない

  • 日、週、月などのピークに対し適切な人数が配置されていない

  • 人材、人手不足により人員が配置できない

人材確保、呼量予測、シフト調整、コスト抑制といった理由が相互に関係するため、容易に解決できる課題ではないでしょう。

入電件数の急激な増加

入電件数が想定よりも急激に増加した場合も応答率の低下が発生します。


入電件数が急激に増加する理由として、下記があげられます。

  • メディア広告、SNSなどによる注目度の向上

  • システム障害などのトラブル発生

  • キャンペーン実施

  • 繁忙期

  • 新年度などの切り替え時期前後の利用者の増減・入れ替わり

一件あたりの対応時間の長さ

一件あたりの対応時間が長くなった場合も、オペレータがあらたな入電に対応できなくなり応答率は下がります。一件あたりの対応が長くなる原因については、さらに間接的な要因に分かれます。また、各要因が複合することで、さらに対応時間が長くなっているケースもあります。

オペレータスキルのバラつき

コールセンター業務にあたるオペレータのスキルは、一件あたりの対応時間に大幅に影響する要因です。スキルが低い場合には一件ずつの対応時間は長くなり、全体の応答率を下げてしまうでしょう。


オペレータに求められるスキルとして、下記があげられます。

  • 基本的な電話での応対スキル

  • スクリプトに沿った業務を行うスキル

  • 提供するサービスに対する知識

  • コールセンターで利用するシステムへの習熟

  • 業務経験

経験の浅いオペレータに関しては研修、OJTなどの教育を通してスキル向上を図る必要があります。また、ピークの時間帯には経験の浅いオペレータだけが集中しないようにシフトでの調整も重要です。

業務フロー・スクリプト

着信への応答では、おおむね下記のような業務フローでの対応が行われます。

  1. 着信対応開始

  2. ユーザーの状況確認

  3. ナレッジの検索

  4. 問い合わせ対応

  5. クロージング

また、それらの作業と並行して下記の作業も実施します。

  • 応対履歴の入力・記録

  • チームへの情報共有

  • 他部署への依頼や連携

一連の業務フローが整理されておらず、明確になっていない場合には応対にロスが生じ対応時間が延びるため、結果として応答率が低下します。


また、各業務フローのステップの中のスクリプト(会話内容や流れ)が適切に用意されていない場合にも、顧客とのコミュニケーションロスが発生し応答率の低下につながるでしょう。


各ステップでの事務処理の作業量が多い場合も同様です。

ナレッジの不備

問い合わせに対しての回答内容を準備する時間が長くなる場合にも応答率は低下します。適切な回答のための情報がまとまっておらず、調査や整理に時間がかかってしまう場合には、FAQやQA履歴、その他データベースなどのナレッジの整備に不備があるといえます。

システム課題

問い合わせ情報の記録、回答内容の検索や情報共有などに用いるITシステムが使いづらい、レスポンスが悪い場合にも対応時間が長くなります。システムそのものの操作性、性能、業務フローとのアンマッチなどが代表的なシステム課題です。


また、ナレッジ検索、顧客情報管理、問い合わせ履歴管理など複数のシステムを利用している場合には、オペレータの負荷増や情報連携コストなども課題となります。

原因別の具体的な応答率改善施策

原因別に応答率を改善する施策には下記があげられます。どの施策を選択するかはケースバイケースですが、ROIが高い方法から優先的に選択することが一般的です。

原因 施策

人員配置不足


人員配置の最適化

システム導入


入電件数の急激な増加


人員配置の最適化

システム導入


一件あたりの対応時間の長さ


オペレータスキルのバラつき

オペレータ教育

システム導入

ナレッジの整備


 

業務フロー

業務フロー・スクリプトの見直し

システム導入


 

ナレッジの不備

ナレッジの整備

システム導入


 

システム課題

システム導入


改善には現状把握と目標設定を行い、施策の効果を測定しながら取り組みます。測定結果から随時、軌道修正して、目標を達成するまで改善サイクルを続けることが重要です。

人員配置の最適化

呼量の記録・分析を行い、人員配置を最適化します。必要なオペレータ数の予測を行い、シフトを編成します。また、根本的にオペレータのリソースが不足している場合には、人員の増強やオペレータ席数の増加も必要です。

システム導入

コールセンター業務の効率化・自動化に向けたシステムの導入は、人的リソースを増やせない場合にも効果がある施策です。特に有効なシステムとして、下記があげられます。


  • コールセンター業務の統合システム(CTI)

CTI(Computer Telephony Integration)はコールセンター業務全般の効率化を図ることのできるシステムです。顧客情報の表示、データ入力と管理・共有、通話の録音、自動着信振り分けなどの機能を持ちます。すでにCTIを導入している場合でも、統合的なCTIへの入れ替えにより利便性を高めることが可能です。

CTIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンターのCTIとはPCと電話の連携システム!業務効率化機能や事例を解説


  • 対応自動化ツール

オペレータの応答の一部を代替し、自動化するツールです。定型的なやり取りをツールによって自動化することで、オペレータはコア業務にリソースを集中させることができ、応答率の改善が見込めます。


代表的な電話対応に関する自動化ツールは、顧客が番号を入力して操作するIVR(Interactive Voice Response)、AIにより自然音声での対話を行うボイスボットです。また別チャネルとなりますが、チャットボットにより呼量を減らせる場合もあります。

自動化ツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コールセンター自動化ツールで人手不足解消!業務改善の4つの具体事例

業務フロー・スクリプトの見直し

業務フローやスクリプトの見直しと最適化も応答率改善のための施策です。すべての通話を改善できる可能性があるため、余地がある場合には効率的な施策となります。


まずは現行の業務フローおよびスクリプトを棚卸して、整理し、可視化します。その後、不要な部分や効率化可能な部分があれば、再編成することで応答率の改善につながります。

オペレータ教育

オペレータ教育によりスキル向上を図ることも有効な応答率改善の施策です。ロールプレイングなどの研修の実施、OJTによるフォローが代表的な方法となります。


堅実に成果が見込める施策ですが、教育にかかる時間や離職率が高い場合には成果をあげづらいという課題もあります。

ナレッジの整備

顧客への応答内容を調べるための情報整理や利便性の向上なども応答率改善につながります。体系的に情報をまとめることで、応答速度だけでなく回答の精度を高めることも可能です。


よくある質問をまとめたFAQや技術情報をまとめたデータベースの作成、情報のトークスクリプトへの反映などが具体的なナレッジ整備となります。また、これらのナレッジはオペレータの利用するシステムに組み込まれている場合も多く、システム課題と合わせての対応ができればより効率的です。

自動化ツールの活用による応答率改善

対応自動化ツールを活用することでコールセンター業務の一部を自動化することが可能です。オペレータ業務の効率化、負荷やコスト軽減などが見込め、応答率の向上に貢献することが期待できます。


以下では、自動化ツールの概要と近年注目を集めるボイスボットについて説明します。

自動化ツールとは

ここでとりあげる自動化ツールとは、顧客からコールセンターへの入電に対しコンピュータソフトウェアにより自動的に応対する仕組みを指します。


従来から利用されてきた自動化ツールとして、IVRがあります。IVRはあらかじめ用意しておいた音声により顧客にガイダンスを行い、顧客はプッシュボタンの入力により返答する仕組みです。定型的な対応には効果が見込めますが、顧客は時間がかかり操作にストレスを受けやすいこと、プッシュボタン=番号による返答のみのため、応対に限りがあることなどの課題もあります。


そこで、より自然な会話により顧客との対話の一部を自動化するツールとして、ボイスボットに注目が集まっています。

ボイスボット

ボイスボットとは、コールセンターへの着信に対しAIが対話する技術です。ユーザーの発話を理解し、音声による自然な言語での応答を行います。


ボイスボットを利用することにより、顧客からのコールのなかでも定型的な対応を自動化できます。

顧客はIVRのようにプッシュボタン操作も必要としないため、ストレスなく利用可能です。また、ボットのため24時間365日稼働して、一時受付をできるため、大幅な応答率の改善効果が期待できます。


下記はボイスボットを利用した応答率改善の一例です。

  • ピークの激しいTVショッピング注文受付でも応答率向上に貢献

  • 医療機関での来院予約の応対時間を10分から3分に削減

  • 宅配ロッカーの問い合わせ業務で15%の応答率改善

  • 不動産業の24時間365日の問い合わせ窓口で取りこぼし0、高応答率に貢献

ボイスボット導入を成功させるには製品の選定が重要です。検討する際のポイントとして、自社のコールセンター業務の運用にマッチしているかを重視します。

下記は具体的な観点の例です。

  • 自社運用を希望する場合、UIの操作性

  • 外部委託を希望する場合、対応範囲とスピード感

  • 会話内容や応答方法の拡張性・柔軟性

導入後の運用管理が継続的に必要となるため、自社で運用するか外部に委託するか、担当者の負荷やコストを含めて検討します。また、一度に全業務に導入するのではなく、スモールスタートで効果を確認しながら展開する計画を用意することがおすすめです。


ボイスボットについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ボイスボットとは?どこまで自動化できる?仕組み・メリット・活用事例を紹介

改善効果の測定とKPI設定の方法

応答率の改善施策は目標(KPI)を定めて実施します。実施後は効果を測定し、課題の抽出・目標に近づけるための調整を行うサイクルを繰り返すことで改善効果を高めます。


応答率の効果を測定する場合、入電数と対応数をカウントします。一定時間で区切り、グラフなどで可視化して、目標値と比較します。ピークタイムやアイドルタイムをカバーできるよう測定することが重要です。


応答率は平均応答速度(ASA)、平均通話時間(ATT)、オペレータ1人が1時間で対応した呼量(CPH)などと関連があるため、組み合わせて分析することで改善策の精度を高めましょう。


目標(KPI)は「着信から10秒以内で応答、応答率80%」など具体的に設定します。明確に数字で表すことで成果に近づいているかが確認可能です。


応答時間を設定せずに高い応答率(例: 100%)を設定してしまうと、ユーザーを待たせてしまう可能性があります。また、応答率100%はオペレータの稼働率が低く、待機が発生している場合もあり、コストの面では問題があるかもしれません。

応答率の改善にはボイスボットの導入がおすすめ

コールセンターの応答率は、顧客の信頼、顧客満足度につながる重要なKPIです。応答率に問題がある場合には、原因を分析して有効な改善策を検討しましょう。


多岐に渡る原因に対する改善策となるシステム導入の中でも、ボイスボットの活用は応答率改善にも有用です。ボイスボットのAIの自然言語による対話で窓口を自動化できる、顧客も利用しやすいなどのメリットが応答率の改善にも役立ちます。

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