コールセンターで重要なKPI一覧!KGIから逆算し目標達成するコツを紹介

作成日:2026年2月5日 更新日:2026年2月13日

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「応答率が悪化し、経営層から改善案を出せと言われた…」 

「どの指標をどこまで追うべきか、正解がわからない…」


コールセンターのKPI設定や管理について、このようなお悩みはありませんか?


実は正しい指標と業界の目安値を理解すれば、根拠ある改善策を導き出せます。


ここでは、重要指標の一覧から設定手順までを体系的に解説します。この記事を読めば、経営層を納得させられる適切な管理体制が構築可能です。

コールセンターでKPI管理をする重要性

コールセンターを取り巻く環境は、電話に加えチャット等の顧客接点が増えたことで複雑化しています。 従来の経験則だけに頼った感覚的な運営では、センターの現状を正確に把握することが困難です。適切なマネジメントを行うには、KPIを用いて顧客満足度や対応品質を数値化しなければなりません。


重要指標(KPI)を可視化すると、生産性やコストのバランスを見極めて具体的な改善策を打てるようになります。 


今後AIやシステムを導入して効果測定を行う際にも、定量的なデータは不可欠な判断材料です。 


本記事を通して経営層が重視する最終ゴール(KGI)への報告にも役立つ指標の目安や設計手順を理解し、自社に最適な管理体制を構築しましょう。

コールセンターKPIの全体像とカテゴリ整理

コールセンターには多くのKPIが存在するため、個別の数値を追う前に全体像を整理しなければなりません。


KPIは後述するKGIという一番大きな目標が何かによって、追うべき指標も変わります。まずはどのようなKPIがコールセンターでは取り上げられることが多いかを概観しましょう。

コールセンターでの注視すべきKPIは大きく3つに分類されます。

  • 接続・応対品質
  • 生産性・コスト
  • 顧客・従業員満足度

また、業務形態がインバウンドかアウトバウンドかによって、追うべきKPIの優先順位は大きく変わります。


 受信業務では「接続・応対品質」を、発信業務では獲得件数などの「生産性・コスト」を重視する傾向が強いです。


まずは各KPIのカテゴリを理解し、自社の課題解決に直結する項目を選定していきましょう。

接続・応対品質に関わるKPI

顧客との接点である接続品質と、会話内容の応対品質は満足度に直結する重要な要素です。本章では管理すべき代表的な指標を解説します。

  • 放棄呼率(応答率)
  • SL(サービスレベル)
  • ASA(平均応答速度)
  • モニタリングスコア

放棄呼率(応答率)

放棄呼率は、着信に対してオペレータがつながる前に顧客が切断した割合を指します。

一般的に「放棄呼数÷総着信数×100」で算出され、顧客の要望をどれだけ取りこぼさずに受けられたかという受電の完遂度を反映する数値です。

類似のKPIとして応答率があり、こちらは逆に着信に対して対応できた件数の割合を示しており、「対応件数÷総着信数×100」または「100%-放棄呼率」で算出します。


放棄呼率は5%以下、応答率は80〜90%が目安ですが、数値が悪化すると機会損失や満足度の低下を招きます。シフト配置の不足やIVR設定に問題がないかを確認し、人員配置の最適化やコールバック等の対策を検討する判断材料として活用してください。

SL(サービスレベル)

サービスレベル(SL)は、設定した時間内にどれだけの電話に応答できたかを表す指標です。

「設定時間内の応答件数÷着信件数×100」で求められ、センター全体としての「つながりやすさ」を測ります。


業界では20秒以内に80%という目標が標準的ですが、緊急性の高い窓口など商材に合わせて調整が必要です。数値が低いときは人員不足の可能性が高いため、WFMツール(呼量予測に基づき、最適な人員配置やシフト作成を行って運営の効率化を図るシステム)等を用いて増員や呼量予測の修正を行います。

ASA(平均応答速度)

ASAは、顧客が電話をかけてからオペレータが出るまでの平均待ち時間を指します。一般的に「待ち時間の合計÷応答件数」で算出され、顧客が感じる待機時間のストレスを直接的に反映する数値です。


時間が短いほど満足度は高まりますが、長引くと放棄呼の増加へ直結します。SLとあわせて監視し、特定の時間帯に待ち時間が急増していないかを確認する目的で使用してください。

モニタリングスコア

モニタリングスコアは、オペレーターの通話内容を所定の基準に基づいて第三者が採点した評価値です 。言葉遣いや解決能力、商品知識などをチェックシートで数値化し、センターの応対品質を直接的に測る指標として用いられます。高得点は顧客満足度の向上に直結しますが、評価者による採点のバラつきには注意が必要です。

定期的な目線合わせ(カリブレーション)で公平性を担保し、具体的なフィードバックを通じて個人のスキル改善や、研修内容の見直しに活用しましょう。

なお、リックテレコム社が発刊しているコールセンター白書2025によると、接続・応対品質に関するセンターの実績は年々悪化をしています。

  • 放棄呼率の平均:2021年9.9% → 2025年は12.2%
  • ASA(平均応答速度)の平均:2021年21.5秒 → 2025年は24.4秒

この数値変化はまさに人手不足・採用難の深刻化を表しており、接続品質の改善は喫緊の課題となっています。

生産性・コストに関わるKPI

センター運営の効率性を測る「生産性」と、経営資源である「コスト」は密接に関係しています。各数値を適正に保つことで、無駄なコストを抑えつつ品質を維持する体制が整います。本章では効率化に欠かせない6つの重要指標について解説します。

ATT(平均通話時間)

ATT(平均通話時間)は、保留時間等は含まず、顧客との通話のみにかかった時間の平均です。「通話時間の合計÷応答件数」で求められます。目安は業界や業務内容により大きく異なりますが、平均7.3分程度※です。数値が長すぎる場合はトークスクリプトの不備や知識不足、短すぎる場合は説明不足の可能性があります。


ベテランと新人の数値を比較して乖離を確認し、標準的なトークフローへの修正や研修によって適正化を図るのが一般的な運用です。保留時間が長い場合は、マニュアル検索ツールの整備など環境面の見直しも並行して行います。

ACW(平均後処理時間)

ACW(平均後処理時間)は、通話終了後の入力作業などにかかる平均時間です。「後処理時間の合計÷応答件数」で算出され、事務処理の効率性を示します。目安は平均6分程度※です。この数値が高い場合、入力スキルの不足やCRMシステムの使い勝手に問題があるケースが多く見られます。


辞書登録機能を活用した入力補助や、選択肢を選ぶだけで済むようなシステム改修を行うことで、大幅な短縮効果が見込める指標です。最近では、生成AI活用による応対内容の自動要約なども出てきています。顧客との会話時間を削るわけではないため、品質への悪影響を抑えつつ生産性を高める着手点として推奨されます。


※出典:コールセンター白書2025(リックテレコム)


ACWについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンターのACW(平均後処理時間)の最適化方法!AI活用で短縮するコツ

AHT(平均処理時間)

AHT(平均処理時間)は、1件の対応にかかった時間の平均値です。「平均通話時間+平均保留時間+平均後処理時間」で算出され、オペレータの処理能力や業務効率を総合的に判断します。一般的な適正値の目安は300〜360秒(5〜6分)程度とされていますが、 実際には業界や商材により大きく異なります。


業界平均を参考にしつつ、自社の運用内容に合わせて目標値を調整することが重要です。人員配置(WFM)を決定する上で最も重要な基礎データとなります。短縮ばかりを追うと品質低下を招くため、応対品質とのバランスを見ながら目標を設定しましょう。FAQの整備やスクリプト改善など、オペレータの負担を減らす施策とセットで管理します。


AHTについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンターのAHT削減策!目安時間とACW最適化方法・AIツール紹介

CPH(時間あたり処理件数)

CPHは、オペレータ1人が1時間あたりに対応できた件数を示す指標です。「応答件数÷稼働時間」で算出され、個人の生産性を測るために用いられます。AHTとは逆の相関関係にあり、CPHが高いほど処理能力が高いと評価されます。ただし、これだけを追求すると「早く切ること」が目的化してしまいがちです。


品質評価とセットで人事考課に組み込むなど、多角的な視点で管理する必要があります。特にアウトバウンド業務や受託案件では、この数値が直接的な収益性に関わるため重視されます。

稼働率

稼働率とは、オペレータの勤務時間のうち、顧客対応業務に充てられている時間の割合を示す指標です。ここでいう顧客対応業務には、通話時間に加えて、後処理(ACW)や履歴入力などの関連業務も含まれます。


本記事では、リックテレコムが発刊しているコールセンター白書の定義に基づき、次の計算式を採用しています。

稼働率 = 処理時間(通話時間+後処理時間) ÷ 総ログイン時間 × 100


一般的な目安は75〜85%前後とされ、業務効率と現場負担のバランスが取りやすい水準です。稼働率が高すぎると疲弊や離職を招きやすく、低すぎる場合はシフト設計や要員配置に改善余地がある可能性が考えられます。


ただし、稼働率の定義はコールセンターごとに異なる場合があります。待機時間や、休憩時間を母数に含めるかどうかによって数値の意味は変わり、同じ稼働率でも単純比較はできません。本記事で扱う稼働率は、現場の顧客対応に割いている割合と業務負荷を把握することを目的としたもので、占有率と呼ばれることもあります。


このように稼働率は数値の高低だけで判断するのではなく、定義を明確にしたうえで、自社の運営に適した水準を維持することが重要です。


稼働率について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンター稼働率とは?適正値・計算式・改善策までわかりやすく解説

CPC(コスト・パー・コール)

CPCは、電話1件の対応にかかるコストを表す指標です。「センターの総運営費(人件費・通信費・設備費など)÷総対応件数」で算出され、1コールあたりの単価として経営効率をダイレクトに示します。AHT短縮や自動化ツールの導入で分母の実績を増やし、単価を下げる努力が求められます。


品質を維持しながらこのコストをいかに最適化するかが、センター長のマネジメント手腕として問われるポイントになります。近年は電話以外のチャネルも含めて統合的に管理する視点も重要です。

顧客・従業員満足度に関わるKPI

センターの持続的な成長には、サービスを受ける顧客と、提供する従業員双方の満足度が欠かせません。これらは将来の売上や品質に直結する重要な先行指標となります。本章では定性的な評価を数値化し、組織改善へつなげるための5つの指標を紹介しましょう。

  • CSAT(顧客満足度)
  • NPS®(推奨度)
  • FCR(一次解決率)
  • ES(従業員満足度)
  • 離職率

CSAT(顧客満足度)

CSATは、対応直後のアンケート等で製品やサービスへの満足度を尋ねる指標です。「満足と答えた回答数÷総回答数」などで算出され、応対品質が顧客の期待値を超えたかを測ります。


目安は業界や商材により異なりますが、目標値を定めて定点観測を行うのが一般的です。単なる点数確認で終わらせず、低評価の理由をフリーコメント等から分析し、具体的なマニュアル改善やオペレータ指導へ反映させることが重要です。

NPS®(推奨度)

NPS®は、企業やブランドを他者に推奨したいかを0〜10点で評価してもらう指標です。「推奨者(9〜10点)」の割合から「批判者(0〜6点)」の割合を引いて算出します。CSATが短期的な満足度を測るのに対し、こちらは長期的なロイヤルティや収益性との相関が強い数値です。


マイナス値になることも珍しくありませんが、競合他社と比較した立ち位置を把握し、経営レベルでの戦略見直しに役立てます。

FCR(一次解決率)

FCRは、最初の問い合わせだけで顧客の問題が解決した割合を示す指標です。「一次解決件数÷総問い合わせ件数」で求められ、応対品質の中でも顧客のストレス軽減に最も貢献する要素です。一般的に70〜80%以上が目安とされますが、数値が低い場合はたらい回しや折り返しが発生している証拠です。


オペレータの知識不足や権限の範囲を見直し、保留や転送を減らすためのフロー改善を行う判断材料として機能します。

ES(従業員満足度)

ESは、業務内容や職場環境に対する従業員の満足度を数値化したものです。定期的な社内アンケートで測定され、「従業員が満足していなければ良質な顧客対応はできない」という考えに基づきます。報酬への納得感やツールの使いやすさがスコアに影響を与えます。


結果を部署ごとに分析し、休憩室の整備や評価制度の見直しといった環境改善策を実行することで、離職防止やモチベーション向上を図ることが可能です。

離職率

離職率とは、一定期間内にどれだけの従業員が退職したかを示す割合です。「期間内の離職者数÷期首の在籍者数×100」などで算出されます。コールセンター業界は他業種より高い傾向にあり、人材流出は深刻な経営課題です。この数値が悪化傾向にある場合、採用コストの増大や品質低下を招きます。


ES調査の結果と突き合わせながら、早期離職の原因が採用ミスマッチにあるのか現場環境にあるのかを特定します。


コールセンターの人手不足について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

AIで解決!コールセンターの人手不足根本原因をデータと事例で解説

KGIから逆算するKPI設計と目標値設定のポイント

個別の数値を追うだけでは、センター本来の役割を果たせなくなる恐れがあります。最終的なゴールを見失わないよう、トップダウンで指標を設計する手順が必要です。本章では適切な目標設定のプロセスと注意点を解説します。

KGIとビジネスゴールを先に決める

KPIを設定する前に、まずはセンターが目指すべき最終目標である「KGI(重要目標達成指標)」を明確にします。自社センターが売上拡大を担うプロフィットセンターなのか、顧客維持やコスト削減を主とするコストセンターなのかによって、ゴールの定義は根本的に異なります。


例えば「売上最大化」がKGIであれば、成約率やアップセル率が重要になり、「顧客ロイヤルティ向上」であればNPS®が最優先です。この前提が曖昧なままでは、現場が追うべき指標にブレが生じてしまいます。

KPIツリーの考え方

KGIが決まったら、それを構成要素に分解して「KPIツリー(ロジックツリー)」を作成します。例えば「応答率向上」という目標がある場合、それを「入電数を減らす」ためのFAQ利用率と「応答数を増やす」ための稼働率などに分岐させます。


このように指標同士の因果関係を可視化すると、どの数値がボトルネックになっているかを特定しやすくなり便利です。


漠然と「頑張ろう」と精神論になるのを防ぎ、改善インパクトの大きい具体的な行動へ落とし込むために、このツリー構造での整理が不可欠です。

KPI設計の4つの注意点

数値を設定する際は、単一の視点に偏らないよう多角的な配慮が求められます。運用時に失敗しやすい4つのポイントを確認しましょう。

注意点 概要と対策

生産性と応対品質のバランス

「効率(AHT短縮など)」と「品質」はトレードオフ(相関)の関係にあります。片方だけを追うと顧客満足度が下がるため、両方の指標を監視し、品質を維持できる均衡点を探ることが重要です。


平均値と中央値

平均値は特異なデータ(外れ値)に影響されやすく、実態を見誤る恐れがあります。中央値やオペレータごとの「数値のバラつき」もあわせて確認し、個別の課題を特定しましょう。


数値達成とES/離職リスク

過度な目標追求(特に高い占有率)は、オペレータの疲弊や離職を招きます。数値達成だけでなく現場の余力を常にモニタリングし、組織が持続可能な目標値かを見直してください。


現状からの段階的な目標設定

最初から理想的な数値を掲げると、ギャップが大きく現場のモチベーションが低下します。まずは現状の実績値を基準に「5%改善」など達成可能な目標から始め、段階的に引き上げましょう。


AIボイスボット「commubo(コミュボ)」で、コールセンターKPI改善の好循環を実現

適切なKPI管理は、センターの現状を可視化し、品質を維持しながら生産性を高めるために不可欠です。しかし、相反する関係にある「品質」と「コスト」の指標を人力だけで両立させるのは容易ではありません。定型業務をAIに任せてリソースを最適化することが、このジレンマを解消し、理想的なセンター運営を実現する鍵となります。


その中でソフトフロントジャパンが提供する自然会話AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、人間のような自然な対話を継続できる高性能な自動応答システムです。


commuboを導入すると、24時間365日即時応答、繁忙期でも応答率100%と、まずは接続品質が安定し、オペレータに応対の余裕が生まれることで応対品質も改善されます。

commuboが一次受付を行い、オペレータに有人転送するような場合も、ヒアリング内容が文字起こしされるため、有人対応のAHTや応対履歴入力などの後工程も削減されることが見込まれます。


対顧客の観点でも、「電話に出てもらえない」「待たされる」が解消され、複雑な質問は余裕ができたオペレータが丁寧に対応することで、顧客満足度も向上します。

commuboをきっかけに社内で様々な好循環が生まれ、各種KPIの改善につなげることができます。


KPI達成に向けたAI活用や、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」に関するご相談やお悩みについては、ソフトフロントジャパンへお問い合わせください。

Commubo Laboロゴ

commuboラボとは?

AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。