コールセンター業務の自動化とは?AI・ボイスボットの活用方法・導入手順を解説
作成日:2025年10月1日 更新日:2026年8月17日

コールセンター業務の自動化とは、IVRやボイスボット、音声認識、生成AI、RPAなどを活用し、電話の振り分けや定型的な応対、通話後の記録・入力といった業務を自動化・効率化する取り組みです。
ただし、すべての業務を自動化すればよいわけではありません。定型性や誤対応時のリスク、例外対応の多さなどを踏まえ、人が対応する業務と自動化する業務を切り分けることが重要です。
本記事では、コールセンターのどの業務を自動化できるのか、IVR・ボイスボット・生成AIなどをどう使い分けるのかを整理し、メリット・注意点、導入の進め方、効果測定のKPIまで解説します。
コールセンター業務のどこを自動化できるか
コールセンターの自動化は、電話応対そのものだけでなく、着信の振り分け、通話後の記録・入力、応対データの分析など、複数の業務フェーズで検討できます。
まずは、どの工程に負荷や課題があるかを整理し、目的に合った手段を選ぶことが重要です。
| 業務フェーズ | 自動化・効率化できること | 代表的な手段 |
|---|---|---|
|
着信時 |
営業時間外の案内、用件確認、担当部署への振り分け |
IVR、ボイスボット |
|
応対中 |
定型問い合わせへの応答、予約・一次受付、必要情報のヒアリング |
ボイスボット |
|
通話後 |
文字起こし、要約、応対履歴作成、CRM入力支援 |
音声認識、生成AI、RPA・システム連携 |
|
発信業務 |
督促、確認連絡、リマインド、アンケートなど |
オートコール、ボイスボット |
|
管理・改善 |
応対データの集計・分析、VoC分析、FAQ改善、KPIの可視化 |
分析・レポートツール、生成AI等 |
コールセンター業務を自動化する主な方法
自動化を検討する際は、導入する技術からではなく、解決したい課題から考えることが重要です。課題によっては、ツールによる自動化だけでなく、業務フローやナレッジの整備などを組み合わせることも有効です。
代表的な課題と検討しやすい手段を整理すると、次のようになります。
| 課題 | 検討できる解決手段 |
|---|---|
|
人手不足 |
IVRによる振り分け、ボイスボットによる定型問い合わせ対応・一次受付の自動化、有人対応との役割分担 |
|
あふれ呼・電話がつながりにくい |
ボイスボット等による自動応対・一次受付、IVRによる用件に応じた振り分け |
|
繁忙期と閑散期の呼量差 |
自動応対の活用による対応可能件数の拡張、有人対応との役割分担 |
|
後処理の負荷 |
音声認識による文字起こし、生成AIによる要約・応対履歴作成、CRM等とのシステム連携やRPAによる入力作業の効率化 |
|
対応品質のばらつき |
FAQ・ナレッジの整備、応対フローの標準化、通話データ・VoCの分析 |
|
営業時間外の着信対応 |
IVRやボイスボットによる時間外案内、問い合わせ・一次受付 |
|
定型的な発信業務の負荷 |
オートコールやボイスボットによる督促・確認・リマインド等の発信自動化 |
発信業務の自動化について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コールセンター業務の自動化にはさまざまな手段があります。
ここでは、顧客対応や定型業務の自動化に活用される代表的な4つの方法について、それぞれの特徴を解説します。
- AIボイスボット
- IVR(自動音声案内)
- チャットボット
- RPA
AIボイスボット
AIボイスボットは、音声認識や対話処理などの技術を活用し、顧客の発話内容に応じて会話形式で自動応対するシステムです。
その仕組みは、音声認識で発話を捉え、シナリオや自然言語処理、生成AIなどを用いて応答内容を決定し、音声合成によって回答を音声として返す仕組みです。採用する技術や制御方法は製品によって異なります。
具体的には、よくある問い合わせへの対応や、予約申し込みの受付対応、アウトバウンド(架電)業務などを行うことが可能です。
ボイスボットを導入することで、導入企業側は業務の効率化や機会損失の防止などのメリット、利用者側は利便性の向上やストレスの解消などのメリットがそれぞれ見込めます。
ボイスボットについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
IVR(自動音声案内)
IVR(Interactive Voice Response)は、顧客の電話での問い合わせに対して、音声ガイダンスで自動案内を行うシステムです。
顧客のプッシュボタン操作や音声入力に応じて、事前に用意した音声で適切な案内を行います。
IVRを使って顧客の要件に応じて通話を直接担当部署に転送することで、社員の電話一次対応の負担を削減することができます。
IVRについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
チャットボット
チャットボットは、顧客の質問や相談に対し、対話形式で回答するチャット型の自動応答システムです。
WebサイトやLINEなどでテキスト入力された問い合わせ内容に対して、自動で回答を行うことによって顧客への対応を行います。
チャットボットは通話機能ではないため、
- 問い合わせ前の自己解決
- 配送状況の確認
- 問い合わせ内容のヒアリング
など、電話でなくとも確認出来る場合には導入がおすすめです。
RPA
RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上で人が行っている定型的な操作や処理を、ソフトウェアによって自動化する仕組みです。データ入力や転記、定型レポートの作成など、ルール化しやすい反復作業の効率化に適しています。
繰り返し作業に強く、
- 応対内容の転記
- 定型レポートの作成
- 申請プロセスの自動化
などの自動化が期待できます。
他のツールでは問い合わせ対応そのものを自動化していますが、RPAでは問い合わせに付随する定型業務が自動化できる業務効率化ツールというイメージです。
-
自動化ツール比較表
以下は、それぞれの特徴やどの業務に適しているかをまとめて比較したものです。
| 自動化ツール種別 | 特徴 | 適する業務 | 具体例 |
|---|---|---|---|
|
AIボイスボット |
音声認識や対話処理などの技術を活用し、顧客の発話内容に応じて会話形式で自動応対するシステム |
電話での自然な会話が求められる問い合わせ対応 |
・予約、変更 ・一次受付 ・FAQ対応 |
| IVR (自動音声案内) |
音声ガイダンスで自動案内を行うシステム(プッシュボタン型が多い) |
定形的な振り分け業務や選択式の応答 |
・問い合わせ内容に応じて担当部署へ振り分ける(〇〇の方は1を押してくださいなど) |
| チャットボット |
チャット型の自動応答システム |
Webやアプリなどでの即時回答サポート |
・FAQ対応 ・商品、サービスの利用方法の簡単な案内 |
| RPA |
PC上の定型的な操作や処理を自動化する仕組み |
PCで従来人が繰り返していた定型業務の自動化 |
・データ入力、集計、検証 ・レポート作成 ・情報収集 |
自動化に向く業務・向かない業務の見極め方
コールセンター業務は、すべてを一律に自動化するのではなく、業務の性質やリスクに応じて自動化する範囲を決めることが重要です。
- 定型性:手順や確認項目が整理されている業務は、自動化しやすい傾向があります。
- 誤対応時の影響:金銭・契約・重要な手続きなど、誤りの影響が大きい業務は、確認方法や有人連携を含めて慎重に設計します。
- 例外対応の頻度:例外や個別判断が多い場合は、すべてを自動化せず、一次受付や情報収集のみを自動化する方法もあります。
- 本人確認の要否:本人確認が必要な業務では、必要な確認レベルや利用する認証手段、個人情報の取り扱いを踏まえて設計します。
- 感情・個別判断の必要性:クレームや複雑な相談など、人による配慮や判断が重要な場面は、有人対応へ切り替えられる運用を検討します。
自動化の目的は「人を完全に置き換えること」ではありません。定型的で繰り返しの多い業務を自動化し、人は複雑な判断や個別対応が必要な業務に集中できる体制を設計することが重要です。
コールセンター業務を自動化するメリット
コールセンター業務を適切に自動化することで、オペレータの負担軽減や業務効率化、応対品質の標準化などが期待できます。
ここでは、コールセンター業務を自動化する主なメリットを紹介します。
- コスト削減につながる
- 対応時間を拡大できる
- 応対品質を一定にできる
- 業務を効率化できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
コスト削減につながる
コールセンター業務を自動化することで、対象業務や運用設計によっては、人が担っていた定型業務の工数を減らし、コストの最適化につながる可能性があります。
例えば、よくある問い合わせや住所変更・残高照会などの定型業務をシステムで自動処理できれば、対応にかかる時間や人員配置の最適化につながり、コスト削減が期待できます。
また、対象業務によっては、新人オペレータの育成にかかる研修負担の軽減など、運用全体のリソース最適化につながる場合もあります。
対応時間を拡大できる
24時間365日の自動応対に対応する仕組みを活用することで、夜間・休日を含めて対応時間を拡張できる場合があります。営業時間外の問い合わせにも対応できるため、機会損失の抑制や利用者の利便性向上につながります。
応対品質を一定にできる
あらかじめ設計したフローに沿って応対することで、新人・ベテランといった担当者による手順や対応のばらつきを抑え、応対品質の標準化につなげることができます。
ただし、自動応対でも設計や設定、認識結果などに起因する誤りは起こり得るため、継続的な確認・改善が重要です。
業務を効率化できる
コールセンター業務を自動化することで、繰り返しの質問への対応や定型業務を自動で行うことが可能になるため、業務を効率化することができます。
例えば、自動化により問い合わせ対応と事務処理を連携することができれば、顧客からの申請や問い合わせを受けると同時にシステム入力が自動で完了するというような流れを作ることができます。
オペレータは従来の定型業務を行う必要がなくなるため、より高度な問題への対応やAIだけでは難しい感情を伴う顧客対応などに集中でき、効率が上がります。
コールセンター業務の自動化における導入事例について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コールセンター業務の自動化事例
コールセンター業務の自動化の一例として、ボイスボットを活用した事例を紹介します。
各社が抱えていた課題や自動化した業務、導入後の効果を見ていきましょう。
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具体事例:二幸産業株式会社 様 従来の電話対応が夜間・休日には人手不足となり、応対品質が安定しないという課題がありました。これを解決するため、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」を導入し、休日・夜間の一次受付フローを構築しました。ボイスボットによる自動応答により、人による休日・夜間の対応が不要になったとともに、二次対応者への即時かつ正確な引き継ぎも可能となり、作業工数・コストの削減につながりました。 |
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具体事例:株式会社エプコ 様 充電インフラの問い合わせ対応において、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」と連動した入力フォームを導入し、定型業務の約4~5割を自動化しました。これにより、24時間365日に対応体制を拡張しつつ、運用コストを抑えることに成功しました。さらに、シナリオ編集の自由度が高く、行政ルール等の変更にも迅速に対応可能な点が、コスト削減と柔軟な運用を支えています。 |
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具体事例:株式会社フルタイムシステム 様 宅配ボックスの電話問合せ窓口にAIボイスボット「commubo(コミュボ)」を導入し、24時間365日の対応体制を構築しました。コロナ禍以降の問合せ呼量増加に対しても、オペレータ増員なしで対応可能となり、業務負荷の軽減とサービス品質の維持を実現しました。さらに、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」のシナリオ編集機能を活用し、短期間で20種類以上の問合せ対応を自動化し、効率的な運用を支えています。 参考:20種近くの問合せを短期間で自動化、commuboの多様な機能を活用。コロナ禍以降の問合せ呼量増加に対し、オペレータ増員の代わりにcommuboで対策 |
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具体事例:日本システム技術株式会社 様 従来のボイスボットではシナリオ管理や改善に時間がかかるという課題を抱えていました。そこで、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」を導入し、複数の顧客向けに共通部分と個別部分をCSVデータで管理し、シナリオの修正や更新を迅速に行える体制を構築しました。その結果、メンテナンス負荷を大幅に削減し、オペレータの負荷軽減と業務効率化を実現しました。 参考:“柔軟な運用”と“データ活用”を実現するため、ボイスボットをリプレイス。PDCAを加速し、スピード改善で顧客満足度向上を目指す |
コールセンター業務を自動化する際の注意点3選
コールセンター業務を自動化する際には以下のような注意点があります。
- 導入や運用にコストがかかるため費用対効果を検証する
- 自動化する業務とオペレータで対応する業務の切り分けを行う
- セキュリティ管理と個人情報保護を行う
導入や運用にコストがかかるため費用対効果を検証する
新たにコールセンター業務の自動化システムを導入する際は、初期費用や月額費用などが発生するため、導入前に費用対効果を検討することが重要です。
費用対効果を検討する際は、現在の対応件数や対応時間、人件費などのコストと、自動化システムの初期費用・月額費用・従量料金などを整理したうえで、自動化によって削減できる工数や対応可能件数の変化などを比較します。
例えば、人件費を算出する場合は、オペレータの人数や給与水準、業務にかかる時間などを基に現在のコストを把握します。一方、自動化システムについては、初期費用だけでなく、月額基本料や従量料金、運用・改善にかかる費用なども含めて確認することが重要です。
また、自動化できる業務の割合や削減できる工数は、対象業務や利用するシステム、運用方法によって異なります。そのため、一般的な数値だけで判断するのではなく、自社の実績値と導入予定システムの見積もりを基に試算し、費用対効果を確認しましょう。
自動化する業務とオペレータで対応する業務の切り分けを行う
コールセンター業務の自動化では、対象業務や利用する仕組みによって対応できる範囲が異なります。複雑な問い合わせやクレーム対応など、人による判断や配慮が求められる場面では、自動化が適さない場合もあります。
顧客の納得がいかない対応を続けていると、かえって事態を悪化させる可能性があるため、必要に応じてオペレータへ転送するなど、有人対応へ切り替えられる運用を設計することが重要です。
自動化する内容については、定型業務で呼量の多いものを選択する、応対内容は事前にテストするなどして検証しておきましょう。
セキュリティ管理と個人情報保護を行う
電話番号や住所といった顧客情報を扱うため、コールセンター業務を自動化する際にはそれらの保護が不可欠です。
万が一、個人情報の漏洩などが発覚すれば、会社の信頼を大きく損なう恐れがあります。
このようなリスクを抑えるため、システム選定時には、アクセス制御や認証、データの保存・管理方法などのセキュリティ対策を確認し、自社のセキュリティ要件や個人情報の取り扱い方針に適合するサービスを選ぶことが重要です
コールセンター自動化の導入手順
コールセンター業務の自動化は、最初から広範囲を対象にするのではなく、課題と対象業務を絞って試し、効果を確認しながら対象範囲を広げる進め方が現実的です。
STEP1: 現状の課題・呼量・業務フローを整理する
STEP2: 自動化する対象業務と、有人対応を残す範囲を決める
STEP3: 必要な機能・連携・セキュリティ要件を整理し、ツールを選定する
STEP4: 限定した業務で試験導入し、設定や業務フロー、運用方法を調整する
STEP5: 本番運用後もKPIや運用状況を確認し、継続的に改善する
コールセンター自動化で確認したいKPI
効果測定では、導入目的に応じてKPIを設定します。すべての指標を追うのではなく、「人手不足の緩和」「あふれ呼対策」「後処理時間の短縮」など、解決したい課題と結び付けて選ぶことが重要です。
ボイスボット運用時に利用されるKPI例
| KPI例 | 確認する内容 |
|---|---|
|
業務完了率 |
自動応対の対象業務が、定めた完了条件まで到達した割合 |
|
有人転送率 |
自動応対からオペレータ等の有人対応へ切り替わった割合 |
|
放棄呼率 |
着信した呼のうち、オペレータ等が応答する前に発信者が切断した割合 |
|
あふれ呼数・率 |
受電能力を超えるなどして、通常の応対フローで処理できなかった呼の件数・割合。(定義や集計方法はシステム・運用によって異なる場合があります。) |
|
AHT(平均処理時間) |
通話・保留・後処理など、1件の応対処理にかかる平均時間 |
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ACW(平均後処理時間) |
通話終了後の応対記録・入力・手続き等にかかる平均時間 |
AHTやACWの考え方、改善方法について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
コールセンター業務の自動化ツールで人手不足を乗り越える
この記事では、コールセンター業務を自動化する方法やそのメリットや注意点などについて解説しました。
コールセンター業務の自動化では、自社の課題や対象業務を整理し、自動化する範囲と有人対応を残す範囲を適切に設計することが重要です。
AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、業務内容に応じてシナリオ型と生成AI型を使い分け、電話応対の自動化・効率化を支援するボイスボットです。定型的な手続きから柔軟な問い合わせ対応まで、対象業務に合わせて運用を設計できます。
commuboについて詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの資料をご覧ください。

commuboラボとは?
AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。








