導入事例

宅配ボックスの24時間365日問合せ受付

宅配ボックス・宅配ロッカーの電話問合せ窓口にcommuboを導入いただいた、株式会社フルタイムシステムに話を伺いました。
シナリオ編集が容易なcommuboのUIや多様な機能を駆使し、様々な問合せを自動応対化。業務拡張の進め方やシナリオの工夫など、commuboの活用方法についてお話いただいています。

20種近くの問合せを短期間で自動化、commuboの多様な機能を活用。コロナ禍以降の問合せ呼量増加に対し、オペレータ増員の代わりにcommuboで対策
導入事例 フルタイムシステム

センター統括室 室長
清水 尚登 様

(2025年3月時点)


導入企業名
株式会社フルタイムシステム様
業種
メーカー
事業内容
宅配ボックス・電子制御付ボックスの製造・販売・保守運用及び管理
導入業務
ユーザーの登録解除、管理者のカード再発行などの受付や、問合せ対応
導入目的
呼量増加に伴う体制強化

電話チャネルは引き続き必要、
簡単に編集できるUIと自然な声を評価いただきcommuboを導入

●まずはコールセンターの業務内容や、commubo導入前の課題感について教えてください。

当社は全国で3か所にコールセンターを有しており、私はそのセンター統括という立場です。
コールセンターでは、建物に設置された宅配ボックスを利用する居住者や、その建物のオーナー・管理者からの問合せを24時間365日受け付けています。

当社は日本で宅配ボックスを初めて作ったパイオニア企業で、その出荷台数は5万台を超え、いまでは555万ほどのユーザーにご利用いただいている、宅配ボックス・宅配ロッカーシェアNo.1*1の会社です。そのため、お問合せの呼量も平均5万/月にも及んでいます。

この24時間365日の問合せ対応は有償保守サービスの一つで、何かトラブルが発生した際にすぐに問合せできる環境は、お客様に「即時性と安心感」を提供する、フルタイムシステムの価値の一つだと思っています。

*1 株式会社フルタイムシステム調べ:「全国マンション市場動向2023実績・展望」(株式会社不動産経済研究所)をもとに推計


導入前に抱えていた課題ですが、コロナ禍以降宅配ロッカーのユーザーが急増し、伴ってお問合せいただく呼量も増加しました。今までは人を沢山採用することで乗り越えていましたが、近年の採用難に伴い、24時間365日十分なオペレータを配置するのに苦労をしていました。

チャットボットなども導入していますが、長年のユーザーは電話での問合せに慣れていらっしゃること、ご高齢のユーザーも多いこと、また宅配ボックス付属の電話を利用しての問合せもあることなどから、引き続き電話での問合せチャネルは必要だと思っています。
そして、上述の通り価値のあるサービスとして有償でご提供しているからこそ、きちんとお電話を逃すことなく応えたいと思い、打開策を探し始めました。

●では続いて、commuboをお選びいただいた理由について教えていただけますか。

ウェブサイトでcommuboのデモ動画を見たのがきっかけでした。
「音声の対応でここまでできるのか」という感動と、期待感を持って問合せをしたと記憶しています。
そこから実際にサービスを試してみて、2点を評価して導入に至りました。

 ・シナリオ編集UI:開発経験がない素人でも簡単にシナリオを組め、使いやすい
 ・commuboの音声:声がよくて自然だ、と社内評価が高く、話し方・アクセントなど発話のチューニングも簡単

特に音声については、語尾に高揚感があり、利き手に安心感を与える印象があって、一番の評価ポイントでした。

リソース少なくスピーディに業務拡張、
簡単に編集できるUIや様々な機能を活かしチューニングを繰り返す

●実際にcommuboを使ってどんなシナリオ*2を作成されていますか。

*2 トークスクリプトや、通話ごとにレポート出力したい聴取項目の設定など、ボイスボットの応対内容を設定するもの

問合せは多岐にわたるため、シンプルで呼量の多い問合せ内容から順次対応を進め、今では20種類弱の問合せを対応しています。
屋内での音が反響しやすい環境からのお電話、ランダムな文字列でのパスコードなど聞き取りが難しい聴収項目など、お問合せをいただく環境や内容は様々です。
commuboは音声のやり取りだけでなく様々な選択肢があるため、その特徴を生かしながら対応品質を上げる最適なシナリオを計画的に目指していきました。

まずはじめに、電話応対自動化の内容を拡張するため、下記2つの機能を活用した応対を進めました。

 ・プッシュボタン(DTMF*3:分岐内容や電話番号聞き取りなどの聞き取りに活用
 ・SMS送信*4:ウェブサイトへの誘導や、セルフエディットページ(後述)を併用した登録フォームへの情報入

*3 DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency):電話機などで使用される信号方式。今回は電話機のプッシュボタンを押すことで、各数字や記号に対応する2つの異なる周波数の音を同時に送信し、情報を伝達する。
*4 オプション機能

初期の運用:プッシュボタン+SMS

今ではボイスボットで対応できる問合せはある程度自動化が完了したので、次のステップとして、より応対をスムーズに行うための音声認識を活用したフローも徐々に進めています。

次のステップ:音声認識で完結

●20種類弱の問合せ対応=シナリオを構築し、今でもその応対フローは改善を進めているということですが、具体的にどのように進めていったのでしょうか。

以前から、「どの問合せに対しどのくらいの呼量があるか」、という対応履歴は集計していたので、そこで見えたシンプルで呼量が多いものから、まずは着手していきました。シンプルなほど呼量が多い傾向なので、最初から優先順位は明確でした。

commuboの運用は2名体制で行っており、私がシナリオ作成やチューニングの指示をし、実際にcommuboを操作する作業者があと1名で回しています。
私が大体のフローを描き、シナリオに落とし込んだら、オペレータ向けのマニュアルや宅配ボックスの画面などの素材を作業者に支給し、実際にcommuboに落とし込んでもらいます。シナリオが出来たらテスト⇔修正を繰り返し、チューニングしていきます。
稼働後も、社内外のフィードバックをいただくので、運用状況も見ながらシナリオは随時改善していきますね。

作ったシナリオを確認し、試行錯誤するうえでは、commuboのUIは非常に便利です。テストコールではうまく会話が進まないところを調整する必要がありますが、下記のフローで簡単に原因を絞り込むことができるので、スピーディな改善に繋げています。
commuboは発話内容もすぐにテキストを修正できるため、改善がすぐに実行できるのもありがたいポイントです。

 1.テストを行った通話の通話履歴を確認し、該当会話が想定通りに進んでいるか確認
 2.進んでいない場合、録音を聞きながら、テキスト化された通話と照らし合わせ、聞き取りなどの原因を確認
 3.同じく通話経路(作成したシナリオ分岐に対し、どの分岐を通ったか)を確認し、分岐の原因を確認

●「操作が簡単なUI」を活用して、スピーディに業務を拡張いただいたのですね・・・!
commuboを本格的に稼働して1年ほど経ったと伺っていますが、実際どのような成果が出ているでしょうか。

呼量の増加にも関わらず、高い応答率を維持しています。
表に見えないところでcommuboが稼働しているので、オペレータはcommuboによる効果の実感はあまりないようですが、実際に保留呼が並ぶことが減ったので、後処理に落ち着いて時間をかけることもでき、全体的に余裕が出てきた雰囲気があります。
オペレータの負荷も減り、センターの雰囲気もとてもよくなったと感じています。

また私がセンター統括という立場上、パフォーマンスの管理・分析、commubo以外のツールの運用、人材マネジメントなど業務が多岐にわたるので、commuboの管理にかけている時間は大体週に2~3時間程度なのですが、それでもスムーズに業務拡張が進められていると思います。

commuboの前述のような作成・改善のしやすさだけでなく、シナリオの複製や共通して使えるサブシナリオなど、業務拡張・横展開もしやすいボイスボットなので、電話応対自動化の構想に対し、計画をスムーズに進めていくことが出来ました。

最初から、複雑で大規模なシナリオをつくろうとすると、設計も作りこみもチューニングも難しく、なかなかうまく進みません。
そうではなく、まずは「番号聴収」のような1つの応対パーツ(サブシナリオ)をつくりこみ、他のシナリオにもモジュールを組み合わせるように適用させていく。そうすると、内容に変更が出た場合も、全てのシナリオを一つずつ変更するのではなく、該当のパーツだけ変更するだけで済みます。さらに、パーツの引き出しを増やしていくことで、業務拡張もパーツの組み合わせを使って、スピーディに進めることができました。

●commuboの様々な機能を活用いただいたということですが、役立った機能をいくつか教えていただけますか。

前段とも一部重複しますが、下記の通りです。
問合せ対応だけでなく、後工程についても、人が対応する必要のない作業はcommuboにどんどん回しています。
他のツールでも似たような機能はありますが、ここまで自由度があるのはcommuboだからこそと思います。

 ・セルフエディットページ:commuboと連動した入力フォーム(詳しくはこちら
  ユーザー登録の解除/カード再発行受付などで使用。
  ユーザーの情報を口頭で聴収するのでなく、ユーザー本人に入力してもらうことで、情報精度を維持しつつ、応対時間を短縮することで、繁忙時間帯の保留呼削減に貢献。
  管理面では、通話履歴からユーザーの登録状況が一覧で表示され、後工程の作業者が確認しやすい。
セルフエディットページ
 ・SMS送信:携帯電話番号宛にショートメッセージを送信
  前述のセルフエディットページの案内以外にも、問合せ内容に関連する動画やウェブサイトをご案内し、自己解決を促せる。
  オペレータが応対する場合でも、対応後に転送しcommuboがSMS送信を行うことで、オペレータの応対時間を削減できる。

運用面でも、日々下記機能を使い運用状況をチェックしています。

通話履歴:ユーザーとの会話内容(テキスト・音声)や、セルフエディットページの内容が表示
  会話内容の確認だけでなく、シナリオのテスト時にも内容確認用に頻繁に使用
  リアルタイムに更新され、反映がわかりやすい
ダッシュボード:commuboの稼働状況の統計を表示
  表示内容はカスタマイズが可能なため、問合せごとの集計を作成し定期的にアクセスして管理

●最後に、今後のcommuboを活用した展開など、お考えをお聞かせください。

いま進めている音声認識のシナリオの拡大もさることながら、まだ使ったことがない機能や、今後の機能アップデートなど、commuboで様々な試行錯誤を重ねていきたいと思っています。
また、今後はcommuboの中で生成AIを連携をさせることで、生成AIのよいところを取り入れながら、シナリオに基づいて安定した品質でcommuboが応対する、という可能性にも期待をしています。