コールセンター自動化ツールで人手不足解消!ボイスボット・IVR・オートコールの違いを解説

作成日:2025年10月1日 更新日:2025年10月1日

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「コールセンター自動化ツールにはどのような種類があるの?」

「コールセンターの効率化を図りたいので、どの仕組みで何がよくなるのかそれぞれの違いを整理したい」


人手不足の影響もあり、コールセンター自動化ツールへの関心は急速に高まっていますが、一概にコールセンター自動化ツールといっても、ツールによってそれぞれ違った性質があります。ツールの違いを理解したうえで活用しなければせっかくの効果が半減してしまう恐れがあります。


そこでこの記事では、コールセンター自動化ツールの中のボイスボット、IVR、オートコールについて取り上げ、業務内容やメリット・デメリットについて徹底的に比較しながら違いを解説していきます。


この記事を読んで、自社の課題にあった最適な自動化ツールは何かを理解し、コールセンターの自動化を検討してみましょう。

コールセンターの業務効率化ツール導入が急務に!導入が進んでいる背景

近年、コールセンターの業務効率化ツールの導入は急務になっています。


その背景として、はじめに2010年代後半からECの伸びで、問い合わせが非対面(電話・オンライン)にシフトしており、年度を追うごとにその比率は上昇傾向にあることが挙げられます。


問い合わせ対応やカスタマーサポートに関して、ユーザーが最もストレスを感じない手段は電話/オペレータとなっており、電話対応の需要は高いのが現状です。


参考:Cotra「【問い合わせフォームとメール利用実態調査2024】– 迅速な対応がユーザー満足度と購入意欲に直結 –」

その一方で、2020年以降はオペレータ雇用においては採用難と賃金上昇で人手不足が慢性化しています。


したがって、需要増・人手不足の現在では、自動化できる所は機械に任せ、人は付加価値対応に集中する体制が必要不可欠となっています。

コールセンターの業務効率化に繋がる3つのツール

コールセンター自動化ツールとしてボイスボット・IVR・オートコールの3つを紹介します。


以下の表は3つのツールを業務内容別に適性を評価したものです。

業務内容 ボイスボット IVR オートコール

受付・振り分け


×


FAQ


×

本人確認


×

予約・リマインド

〇(リマインド◎)


注文/配送状況確認


定型手続き


×

クレーム一次受け


×

時間外受付


×

料金督促・回収


×

〇(催促◎)

それぞれ得意な業務内容に違いはありますが、ボイスボットは比較的オペレータ業務全般に対応しており、汎用性が高いツールだということが分かります。


次に、それぞれのツールの仕組み、どのような人におすすめか、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます

ボイスボットは問い合わせの意図が多様な人におすすめ!特徴とメリット・デメリット

ボイスボットは、AIが音声を聞き取り、言語を理解して自動で受け答えする対話型の電話応対システムです。


プッシュ操作は不要で、自由発話(固有名詞・ハイフン含む数字など)をそのまま聴き取り、インバウンド/アウトバウンドの両業務に対応できます

  • ボイスボットがおすすめな人

問い合わせの意図が多様で、会話での対応が必要な現場に最適です。

  • ボイスボットのメリット

  • ボタン操作なしで完結するため、顧客が選択肢を聞く待ち時間を削減できる
  • 完結率と顧客体験の両方を高めやすい
  • スマホのプッシュ操作に不慣れな層や高齢者でも完了しやすく、IVRで発生しがちな冒頭離脱を抑制できる
  • ボイスボットのデメリット

  • 音声認識の精度を高めるチューニングが必要で、精度は100%ではない
  • 初期コストはIVRと比較して高めになりやすい(ただし業務幅と完結率で結果的にコストを回収しやすいため、費用対効果は十分に見込める)

ボイスボットについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ボイスボットとは?どこまで自動化できる?仕組み・メリット・活用事例を紹介

IVRは部門・用件の振り分けにおすすめ!特徴とメリット・デメリット

IVRは、ガイダンスに従って番号を押すことで分岐・転送する自動応答システムです。


一次受付や簡易アンケート、数値の回収(顧客番号・郵便番号など)に向いています。

  • IVRがおすすめな人

まずは入口で迷わせず、適切な窓口へ素早く繋ぐことを最優先したい人に向いています。

  • IVRのメリット

  • 低コストで導入しやすい
  • 一次受付や単純分岐に適する
  • 数字入力ベースの定型聴取(顧客番号・郵便番号など)に強い
  • IVRのデメリット

  • 階層が深くなりやすく、選択肢を聞く待ちが長く冒頭離脱が増えやすい
  • スマホのプッシュ操作に不慣れなユーザーで完結率が低下し、顧客満足度が悪化しやすい
  • 留守電判別や柔軟な後工程自動化に弱い

IVRについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

IVRとは?電話自動振分けのメリットとコールセンター業務効率化事例

オートコールは大量の一斉連絡をしたい人におすすめ!特徴とメリット・デメリット

オートコールは、あらかじめ用意した音声メッセージを発信リストへ自動で架電する仕組みです(アウトバウンドIVR)。


必要に応じてIVRのプッシュ操作を組み合わせ、簡単な回答収集まで行う運用もあります

  • オートコールがおすすめな人

同質の連絡を大量かつ短時間で届けたい場合におすすめです

  • オートコールのメリット

  • スピードと到達性に優れており、大量の一斉連絡を効率よく行える
  • 既存IVRとの組み合わせで、最低限の双方向性も担保できる
  • オートコールのデメリット

  • 折り返しや詳細ヒアリングなど後工程の自動化は弱く、運用側に作業が戻りやすい
  • プッシュ操作への依存度が高く、回答率が利用者属性や利用環境に左右される

オートコールについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

オートコールとは架電業務を自動化するシステム!メリットや活用シーンを解説

コールセンターのツール導入成功事例

ここでは、コールセンター業務において、実際にボイスボット・IVR・オートコールそれぞれの自動化ツールを導入して成功した事例について紹介します

ボイスボットの事例

企業名


株式会社フルタイムシステム


業種


・サービス利用者急増に伴って呼量も増加したが、近年の採用難によってオペレータの確保が難しくなり24時間365日対応が困難になった


成果


・20種の問い合わせを自動化でき、呼量が増加しても高い応答率を維持している

・保留呼が並ぶことが減ったことで、後処理に落ち着いて時間をかけることもできるようになったため、オペレータの負荷は低減し、センター全体に余裕が生まれた


IVRの事例

企業名


日本生命保険相互会社


業種


・受電件数が一定のオペレータに偏る傾向があった

・問い合わせ内容が事前に分からないため、新人オペレータはすべてに応対できるスキルを身に付ける必要があり、育成に大変時間がかかっていた


成果


・内容に応じて応対するオペレータをIVRで自動振分けすることで、

新人オペレータは研修状況に応じた応対ができるようになった

・本日の為替のお知らせなど、問合せが多く定型的な内容は、音声合成による自動応答を実施した。数字の言い間違いもなく、業務効率がとても上がった


オートコールの事例

企業名


神戸市 防災課


業種


・6,000人超の住民へ災害情報を短時間で確実に伝える必要があり、職員の手動電話連絡で時間がかかっていた

・メールは閲覧率が低く安否返信も不評、さらに複数回線の運用コストが課題だった


成果


・telmeeの自動電話(オートコール)導入により、1日がかりの業務が約20分に短縮され、高齢者にも電話で確実に通知可能になった

・専用回線が不要となり回線コストを大幅に削減でき、既存メール配信と連携して同時配信も実現した


コールセンター自動化ツールの選び方

次に、コールセンター自動化ツールの選び方を紹介します。

  • 解決したい課題を明確にする
  • 既存システムとの連携性を考慮する

解決したい課題を明確にする

自社が抱える課題を明確にし、それにマッチしたツールを活用することが大切です。


具体例として、よくあるコールセンター業務のまつわる課題と、それにどのようなツールをどう活用するのが適切かを解説します。

  • 業務量の増大への対応

  • 呼量変動に弱く、放棄呼が増加する
    • ボイスボット:一部問い合わせを完全自動化し、待ち行列を減らす
    • IVR:問い合わせ内容を事前に分類し、適切に振り分ける
  • 平均処理時間(AHT)の長期化
    • ボイスボット:一次対応や本人確認を代行し、処理時間を短縮。顧客管理システムと連携し、応対履歴を自動記録
  • 一次完結率(FCR)の低下
    • ボイスボット:FAQや簡単な手続きを自動処理し、一次完結率を高める
  • 人材確保とコストの問題

  • 採用難・早期離職でシフトが埋まらない
    • ボイスボット:定型的な問い合わせを完全に自動対応しオペレータ人員を減らす
    • IVR:簡単な案内や振り分けを自動化し、有人対応の負担を軽減する
    • オートコール:リマインドや予約確認を自動化し、人的リソースを削減する
  • クレームやハラスメント対応による心理的負荷
    • ボイスボット:単純・定型対応を担い、オペレータが負担の大きい応対に直面する頻度を減らす
  • 品質と顧客満足度の確保

  • 応対品質のばらつき
    • ボイスボット:標準化された応答により、オペレータ間の品質差を縮小
  • 業務運営の効率性

  • エスカレーション滞留やバックオフィス処理の遅延
    • ボイスボット:一次受付や情報収集を自動化し、後工程を迅速化

既存システムとの連携性を考慮する

コールセンター自動化ツールを導入する際、既存システムとの連携性を考慮するとそれぞれを単体で稼働させたときよりも高い効果を得ることができます。


例えば、顧客管理システム(CRM)などのデータベースや、チャットツールなどと連携ができるものや相性の良いものを選ぶことで、予算削減や業務効率化が図れることに加え、顧客にとっても使用しやすくなります。


また、下図のように、コールセンター自動化ツールを使ってシステム同士を上手く連携できれば、顧客情報を顧客管理・業務システムに同時に送信・書き込みしたり、顧客情報を参照して電話先の顧客対応が行えるなどの利点もあります

AIボイスボット「ボイスボットcommubo(コミュボ)」ならIVR・オートコール両機能もカバーできる

AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、ボイスボットの対話型応対だけでなく、IVRとオートコールの両方を同一基盤で自動化することが可能です。


さらにボイスボットのAIを使った音声認識機能により、固有名詞を含んだ顧客情報の確認や予約、問い合わせ対応のような従来は人間でないと難しかった業務も自動化出来るので、人手不足や採用難、そこから発生していた顧客満足度向上などの課題も合わせて解決できます。


このようにIVR・オートコール両機能をカバーするボイスボットを導入すれば、いくつもツールを導入しなくてもいいため運用コストの削減が見込めたり、その利便性から顧客満足度の向上も図ることができます。

ボイスボットを導入して人手不足を解消しよう

この記事では、コールセンター自動化ツールであるボイスボット・IVR・オートコールについて比較し、それぞれどのような人におすすめであるかやメリットなどについて解説しました。


また、IVR・オートコール両機能をカバーしたボイスボットの導入は、コスト削減や人手不足の解消など様々なベネフィットを得られることに加え、音声データの活用やシナリオの工夫により新たな業務拡大の可能性も見込めることを理解していただけたのではないでしょうか。


ボイスボットの導入のご検討には、ソフトフロントのAIボイスボット「commubo(コミュボ)」もご検討ください。


commuboは、自社運用で成果を出すボイスボットであり、コストをおさえつつ高い拡張性を実現し、様々な組織や業務にジャストフィットするツールです。


commuboについて詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの資料をご覧ください

Commubo Laboロゴ

commuboラボとは?

AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。