あふれ呼とは?原因・影響・今すぐできる対策をわかりやすく解説

作成日:2026年2月12日 更新日:2026年2月12日

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「キャンペーン後に電話がつながらず、クレームが増えている…」

「上層部から、あふれ呼の状況と対策を整理して説明するよう求められた…」

 

あふれ呼は発生の仕組みを正しく理解し、ポイントを押さえた対策を取れば、短期間でも改善できるケースは多くあります。

 

この記事では、あふれ呼の定義・原因・コールセンター運営への影響・具体的な改善策を、現場目線でわかりやすく解説します。

 

この記事を読めば、自社コールセンターの状態を客観的に説明でき、上層部への報告や現場改善にすぐ活かせる知識が身につきます。

あふれ呼とは

あふれ呼とは、回線やオペレータの処理能力を超えたために受信できず切断される、または待ち行列に入れない電話のことです。コールセンターの用語では「オーバーフロー」と呼ばれることもあります。


例えば、キャンペーン開始直後やシステム障害発生時など、短時間に問い合わせが集中すると、実際の対応件数に関わらずあふれ呼が急増します。オペレータが空くのを待つ以前に受付枠が埋まってしまうため、顧客側は問い合わせを開始できません。


つまり、あふれ呼は対応が遅い問題ではなく、そもそも受け取れていない問題です。この特性を理解しないまま対策を進めると、的外れな改善になりやすいため、最初に正しく定義を押さえることが重要です。

あふれ呼・待ち呼・放棄呼・ブロック呼の違い

あふれ呼・待ち呼・放棄呼・ブロック呼は、いずれも電話がつながらなかった状態を示す指標ですが、発生するタイミングと意味は大きく異なります。

それぞれの違いを整理すると、次のようになります。

呼の種類 定義 発生するタイミング 顧客の状態

あふれ呼

受付処理の上限を超え、キューに入る前に切り捨てられた電話


回線数・同時対応数を超えた時点

そもそも受付されていない


待ち呼

センターにつながり、キューで順番待ちしている電話


受付後、応対待ちの状態

つながるのを待っている

放棄呼

順番待ちの途中で、顧客が電話を切ったもの


待ち時間中

待ちきれずに離脱


ブロック呼

回線制御や制限設定により、着信自体が拒否された電話


ネットワーク・回線制御段階

呼が発生したが接続不可

このように、あふれ呼・待ち呼・放棄呼・ブロック呼は発生するタイミングが大きく異なります。特にあふれ呼は、順番待ちにすら入れないため、顧客側にはまったくつながらないという印象が残りやすい点が特徴です。


そのため応答率や待ち呼だけを見ていると、あふれ呼の増加に気づきにくく、実際の顧客体験とのズレが生じることがあります。センターの状態を正しく把握するためには、これらを区別して確認することが重要です。


例えば応答率はそれほど悪くないのに、つながらないというクレームが多い場合、原因は待ち呼や放棄呼ではなく、あふれ呼にあるケースが少なくありません。


この違いを正しく理解することで、人を増やすべきなのかIVRを見直すべきなのか、回線設計に問題があるのかといった判断がしやすくなります。

あふれ呼が発生する原因

あふれ呼は単に電話が多いから起きるだけの問題ではなく、以下のような原因が考えられます。

  • 入電数の急増(キャンペーン/障害/想定外の問い合わせ)

  • 回線・オペレータ数の不足

  • IVR設計の不備やFAQの不足

  • シフト・予測の精度不足

入電数の急増(キャンペーン/障害/想定外の問い合わせ)

短時間で入電が集中すると、最も発生しやすいのがあふれ呼です。


キャンペーン開始直後、テレビやSNSでの露出、システム障害の発生などは通常時の想定を大きく超える入電を生みます。


このようなケースでは、オペレータの対応スキルや応対速度に問題がなくても受付枠そのものが足りず、あふれ呼が多発します。


特に注意が必要なのは一時的だから仕方ないと放置してしまうことです。顧客にとっては一時的かどうかは関係なく、つながらない体験が強く印象に残ります。


突発的な入電増加は完全には防げませんが、事前に想定し、逃がし先を用意することで影響を抑えることは可能です。

回線・オペレータ数の不足

受付できる回線数や同時対応できる人数が不足している場合も、あふれ呼が発生します。


回線数が少ない場合、オペレータが空いていても電話自体が入らず、話中音が流れてしまいます。一方で、回線は足りていてもオペレータ数が不足している場合、キューがあふれ、結果として受付前で電話が切り捨てられます。


重要なのは、回線数とオペレータ数を切り離して考えないことです。どちらか一方だけを増やしても、対応が追いつかない部分が残っていれば、あふれ呼は解消されません。


コールセンターの人手不足について詳しく知りたい方はこちらも記事もご覧ください。

AIで解決!コールセンターの人手不足根本原因をデータと事例で解説

IVR設計の不備やFAQの不足

IVRの設計が不適切だと、有人窓口に電話が集中し、あふれ呼の原因になります。


例えば、以下のようなIVRでは、本来電話を取らなくてもよい問い合わせまで有人に流れ込みます。

  • 選択肢が多すぎて分かりにくい

  • 案内が長く、途中で切られてしまう

  • 自己解決できる内容でも必ず有人につながる

またFAQやWeb案内が整備されていない場合、とりあえず電話するという行動が増え、結果としてあふれ呼を招きます。


IVRは振り分け装置であり、有人対応数削減装置でもあるという視点が重要です。

シフト・予測の精度不足

入電予測とシフト設計がズレていると、ピーク時に対応力が足りなくなります。


平均値だけを見て人員を配置していると、特定の時間帯に稼働が集中し、あふれ呼が発生しやすくなります。特に、昼休み前後・夕方・週明けなどは要注意です。


また、欠勤や急な離脱を想定したバッファがない場合、わずかな変動でも受付能力を下回ってしまいます。


あふれ呼を防ぐには、平均ではなくピークを基準に考えることが欠かせません。

あふれ呼によって発生する問題

あふれ呼は電話がつながらないという一時的な問題に見えますが、実際には顧客対応・現場運営・ビジネス全体に影響を及ぼす重要な課題です。一度発生すると再入電やクレームを招きやすく、負荷が連鎖的に増えていきます。


あふれ呼が続くことで、具体的には以下のような問題が発生します。

  • 顧客満足度の低下

  • オペレータ負荷の増加

  • 機会損失・ビジネス影響

顧客満足度の低下

電話がつながらないという体験は、それ自体が顧客にとって大きなストレスになり、企業印象として強く印象に残ってしまいます。


特に、トラブルや不安を抱えた状態で連絡している顧客ほど、つながらないことで感情が悪化しやすく、クレームや再入電につながる可能性が高まります。

オペレータ負荷の増加

あふれ呼が続くと、オペレータの負担は確実に増えていきます。


つながらなかった顧客が何度もかけ直すことで、同じ内容の問い合わせが集中しやすくなります。さらに、不満を抱えた状態でつながるため、感情的な対応が増え、精神的な消耗も大きくなります。


こうした状況が続くと、現場では次のような影響が発生する可能性があります。

  • 応対時間が長引く

  • ミスが起きやすくなる

  • 休憩が取りにくくなる

このように、あふれ呼は単に電話がつながらない問題にとどまらず、オペレータの負荷や応対品質の低下を招き、センター全体の安定運営に影響する問題になります。


高稼働と高ストレスが続くと、離職リスクが高まる点も重要な問題です。


コールセンターの稼働率について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

コールセンター稼働率とは?適正値・計算式・改善策までわかりやすく解説

機会損失・ビジネス影響

あふれ呼は、そのまま機会を逃してしまう状態につながります。電話がつながらなかった分だけ、本来対応できていたはずの業務が行われず、結果としてビジネス上の損失が発生します。


具体的には、次のような機会が失われやすくなります。

  • 申し込み(通販、インフラ新規契約等)

  • 契約更新

  • トラブル解決

  • サポート対応

特に、通販などの注文受付の窓口では、つながらないこと自体が売上の低下に直結します。せっかくキャンペーンを実施したり、広告を出して露出を増やしても、電話がつながらないと施策の効果が低減することになります。

また、営業系やサポート系の窓口では、つながらないこと自体が顧客の離脱につながるケースも少なくありません。一度つながらなかった顧客が、別のサービスに流れてしまったり、問い合わせ自体を諦めてしまうこともあります。


このように、あふれ呼は現場の負担だけでなく、売上や顧客満足度、継続利用にも影響する問題です。目に見えにくいものの、放置するとビジネス全体にじわじわと影響が広がっていきます。

あふれ呼を減らす具体的な対策3選

あふれ呼は電話が多いから仕方ないと放置すべき問題ではありません。具体的な方法としては以下のようなものがあります。

  • 電話以外の問い合わせ窓口を増やす(チャット・FAQ・メール)

  • IVR・ボイスボットで一次対応を自動化する

  • 人員配置と要員計画を見直す

電話以外の問い合わせ窓口を増やす(チャット・FAQ・メール)

入電を減らす最もシンプルな方法は、電話以外の問い合わせ手段を用意することです。


よくある質問や定型的な問い合わせは以下のものがあります。

  • FAQ

  • チャット

  • メール

  • LINEなどのメッセージ窓口

これらに誘導することで、電話に集中する流れを分散できます。


特に確認だけや手続き方法を知りたいといった問い合わせは、電話でなくても解決可能なケースが多く、自己解決導線を整えるだけで入電数を大きく減らせます。


その結果、本当に電話対応が必要な問い合わせに人手を集中でき、ピーク時間帯のあふれ呼も抑えやすくなります。

IVR・ボイスボットで一次対応を自動化す

電話が集中してしまう大きな原因は、本来オペレータが対応しなくてもよい業務まで、すべて人手で受けてしまっている点にあります。


本人確認や受付、状況案内、簡単な用件の振り分けなどは、必ずしも人が対応する必要はありません。こうした業務を有人対応に任せ続けると、重要な問い合わせと単純な問い合わせが同じ窓口に集まり、結果としてあふれ呼や対応遅延を招きやすくなります。


例えばIVRのメニュー設計を見直し、用件を整理して適切な窓口へ振り分けるだけでも、無駄な着信やたらい回しは大きく減らせます。


それでもあふれ呼が発生する場合は、スナッチ対応(折り返し対応の受付)を実施し、追ってオペレータが折り返すことで、顧客接点を保ち、顧客のコールリーズン解消に努めることができます。

ボイスボットを活用した具体事例

ボイスボットを活用した具体事例は以下のようなものがあります。


事例①(スナッチ対応・自動応答)

項目 内容

活用シーン

ボイスボットによるスナッチ対応(折り返し受付)


課題

ピーク時の入電集中により、オペレーターが対応中で受付できず、あふれ呼や取りこぼしが発生していた


具体的な対応

混雑時はcommuboが自動応答に切り替わり、氏名・電話番号・用件をヒアリングして一次受付を実施


運用の流れ

①ボイスボットが受付 → ②内容を記録 → ③オペレーターが後から折り返し対応


導入効果

・ 注文完了率94%を達成

・ あふれ呼による機会損失を大幅に削減

・ ピーク時のオペレーター負荷を軽減


特徴

「つながらない」を防ぎ、必ず受付できる状態を維持できる点が強み



事例②(ボイスボットでコールリーズンを解消 TV通販受付)

項目 内容

活用シーン

TVCM・テレビ放送直後に集中する注文受付業務の自動化


課題

CM実施時に呼量が集中し、あふれ呼による機会損失が発生。深夜・早朝帯の人員確保も困難


具体的な対応

ボイスボットが注文受付を完結。数量・配送先・希望配送日・支払方法などを音声で聴取


運用の流れ

①入電 → ②ボイスボットが注文内容を順にヒアリング → ③内容を自動記録、必要時のみ人が確認


導入効果

・ 注文完了率70%を達成

・ 短期間の大量呼量や深夜早朝の受付にも対応可能


特徴

高齢者でも使いやすい音声対応により、1回の電話で注文が完結。折り返し不要で業務効率が向上


さらにボイスボットを活用すれば、より高度な応対が可能となるため、24時間365日の一次受付や混雑時の受け止めだけでなく、定型的な業務の応対自動化も実現でき、オペレータは判断や説明が必要な対応に集中しやすくなります。


IVRやボイスボットで対応の入口を整理することで、電話の集中を抑えつつ、オペレータが本当に必要な対応に時間を使える環境を整えることができます。


ボイスボットやIVRについて詳しく知りたい方はこちらも記事もご覧ください。

ボイスボットとは?どこまで自動化できる?仕組み・メリット・活用事例を紹介

IVRとは?電話自動振分けのメリットとコールセンター業務効率化事例

人員配置と要員計画を見直す

あふれ呼が発生する原因は、人が足りないことよりも人の配置が実態に合っていないケースが多く見られます。全体の人数は足りていても、忙しい時間帯に人が少なく、逆に落ち着いている時間に余っている状態では、受付能力が十分に発揮されません。


こうした状況を把握するためには、月次の平均値だけで判断せず、時間帯別・曜日別に入電データを見直すことが重要です。どの時間に負荷が集中しているのかを整理していくと、次のような配置の偏りが見えてきます。

  • ピーク時間に人が不足している

  • 閑散時間に人員が余っている

こうした繁閑期の偏りが分かれば、シフトの組み方を調整する余地が生まれます。


人を増やす前に、まずは今の配置が本当に業務量に合っているかを見直すことが、コストを抑えながらあふれ呼を減らすための第一歩です。

あふれ呼を減らすならAIボイスボット「commubo(コミュボ)」

あふれ呼対策を進めるうえで重要なのは、すべてを人の対応で解決しようとしない設計に切り替えることです。人手を増やすだけの対策は、コストや現場負担が先に限界を迎えてしまい、根本的な解決にはなりにくい傾向があります。


AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、電話の入口部分を自動化することで、あふれ呼が起きにくい流れをつくります。一次受付や混雑時の受け止めを自動で行い、IVRと組み合わせながら適切に振り分けることで、受付能力そのものを安定させることが可能です。


その結果、オペレータは本当に人の判断や説明が必要な問い合わせに集中できるようになり、現場の負担軽減だけでなく、応対品質の安定や顧客満足度の向上にもつながります。


あふれ呼を現場の頑張りで乗り切るのではなく、仕組みそのものを見直して解決したいと考えている方は、ぜひ活用を検討してみてください。

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今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。