コールセンター稼働率とは?適正値・計算式・改善策までわかりやすく解説

作成日:2026年2月12日 更新日:2026年2月12日

オペレータイラスト画像

応答率は達成しているのに、オペレータの疲弊感や離職が増えている…

稼働率が90%前後になっているが、本当にこの水準が正しいのかわからない…

 

実はコールセンターの稼働率は、高ければ高いほど良い指標ではありません。むしろ、稼働率を誤って解釈すると、品質低下や離職増加といった深刻な問題を招くことがあります。

 

この記事ではコールセンター稼働率の基本的な考え方から、計算式・適正値の目安、稼働率が崩れたときに起きる問題、そして現場負担を抑えながら改善する具体策までを、運営責任者の視点でわかりやすく解説します。

 

この記事を読めば、自社センターの稼働率が高すぎるのか・低すぎるのかを客観的に判断でき、経営層への説明や、現場に無理をさせない運営改善にすぐ活かせる知識が身につきます。

 

他のKPIについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンターで重要なKPI一覧!KGIから逆算し目標達成するコツを紹介

コールセンターの稼働率とは

コールセンターの稼働率とは、ここではオペレータが勤務時間のうち、実際に顧客対応に使っている時間の割合を示す指標を指します。

 

稼働率は、人件費の効率性だけでなく、応対品質やオペレータの負担状況を把握するための重要なKPIとして活用されます。適正な水準を維持できていれば、品質とコストのバランスが取れた安定したセンター運営が可能になります。

 

一方で稼働率が高すぎる状態が続くと疲弊やミスの増加につながり、低すぎる場合は待機時間が増え、人件費の無駄が発生します。稼働率は高ければ良い・低ければ安心という単純な指標ではなく、適正な範囲で管理することが重要です。

 

なお、稼働率は通話時間のみを指すものではありません。一般的には、次のようなものが対象となります。

  • 通話対応

  • 後処理(ACW)

  • 応対に付随する関連業務

これらの生産時間が、勤務時間全体の中でどの程度を占めているかを見るのが稼働率の考え方です。

 

ACWについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

コールセンターのACW(平均後処理時間)の最適化方法!AI活用で短縮するコツ

稼働率の計算式と考え方

コールセンターの稼働率は、実際に顧客対応していた時間が勤務時間の中でどれくらいを占めているかを示す数値です。

 

計算式は次のとおりです。

稼働率 = 処理時間(通話時間+後処理時間) ÷ 総ログイン時間 × 100

本計算式は、リックテレコムが発刊しているコールセンター白書が定義したものを採用しています。

ここでいう処理時間は、通話している時間だけを指すわけではありません。一般的には、お客様との通話時間に加えて、後処理(ACW)や、応対後に行う履歴入力・内容確認といった作業時間も含まれます。

 

また稼働率を見る際は、後処理時間(ACW)の長さにも注意が必要です。ACWが長い場合、稼働率の数値が高くても、実際の現場では次のような問題を抱えていることがあります。

  • 入力作業に時間がかかっている

  • 必要な情報を探すのに手間がかかっている

  • 応対の進め方が人によってバラついている

このように、稼働率は単なる忙しさを示す数値ではありません。どの作業に時間を使っているのかを分解して確認することで、業務のやりにくさや改善ポイントを見つけるための指標として活用できます。

センターによって異なる定義の違い

コールセンターの稼働率の定義と計算式は、センターごとに異なるケースが多く、認識を揃えないと混乱の元となることがあります。

前段で紹介した計算式は、占有率と呼ばれることもあり、生産時間の内、実際に顧客対応にあてられる時間の割合を指していますが、他には下記のような考え方があります。

    • 処理時間+待機時間÷勤務時間(休憩含む):オペレータが業務にあたった割合

        充分に休憩がとれているか、研修・会議・面談などの時間が取れているかなど、労務管理の観点

      • 実稼働時間÷予定稼働時間:対計画稼働率といわれる
        立てた計画に対し、充分にシフトが配置されているかを管理する観点

    定義と計算式の設定を誤ると、ミスリードにつながり本来の問題を見失うため、トレースしたい内容や目的に対して定義を適切に設定しましょう。

    コールセンター稼働率の適正値と管理頻度、判断基準

    結論から言うと、コールセンターの稼働率は75〜85%前後が一般的な適正値とされています。

     

    この水準はオペレータが業務に集中しつつも、疲れがたまりにくいバランスが取れた状態とされており、COPCなどの国際的な運営指標でも、極端に高い稼働率は推奨されていません。

     

    稼働率が高すぎると人件費の効率が良いように見えますが、実際には応対品質の低下やミスの増加、離職リスクの上昇につながりやすくなります。逆に低すぎる場合は、待機時間が増え、人員配置やコスト面でムダが生じやすくなります。

     

    ただし、この適正値はすべてのセンターに当てはまる絶対的な正解ではありません。重要なのは、自社センターの業務内容に合っているかどうかです。問い合わせ内容が定型的か、判断を伴う対応が多いかによって、同じ稼働率でも現場の負担感は大きく変わります。

     

    このように稼働率は外部の目安だけで判断するのではなく、自社の業務実態と照らし合わせながら、定期的に見直すべき指標だといえます。

    稼働率が適正を外れると起きる問題

    稼働率は、高すぎても低すぎても、センター運営にさまざまな問題を引き起こします。

    90%超が続くと起きる問題

    稼働率が90%を超える状態が続くと、センターは回し続けることが目的の運営になりやすくなります。

     

    その理由は、オペレータに業務の余裕がほとんど残らないためです。電話対応が終わるとすぐに次の電話に入り、後処理(ACW)や短い休憩を十分に取れない状態が続くと、次のような影響が出やすくなります。

    • 応対中の集中力低下

    • 案内ミス・聞き返しの増加

    • クレーム対応の長期化

    また常に追われている感覚は心理的な負担が大きく、疲弊や離職の直接的な原因になります。結果として欠勤や退職が増え、さらに稼働率が上がるという悪循環に陥りやすくなります。

    60%台が続く場合のリスク

    稼働率が60%台で推移している場合も、安心できる状態とは言えません。業務量に対して人員が多く、現場に余裕が出すぎている可能性があります。

     

    待機時間が長い状態が続くと、次のような影響が出やすくなります。

    • 生産性の低下

    • 人件費のムダ

    • 業務への緊張感の低下

    また余裕があるから大丈夫と判断してしまい、入電増加への備えが遅れるケースもあります。結果的に、突発的な繁忙で一気に稼働率が跳ね上がることも少なくありません。

     

    このように、稼働率が高すぎる場合だけでなく、低すぎる場合にもリスクがあります。

    自社センターの稼働率を診断するステップ

    稼働率が高い・低いと感じても、数字を正しく分解しなければ適切な判断はできません。

     

    ここでは、現場と経営の両方に説明しやすい、基本的な診断ステップを紹介します。

    月次・時間帯別の稼働率を可視化する

    まず行うべきなのは、稼働率を平均値だけで判断しないことです。

     

    月次の平均稼働率だけを見ると、問題がないように見えることがあります。しかし実際には、時間帯や曜日によって負荷が大きく偏っているケースは少なくありません。

     

    特に、次のような場面で稼働が集中しやすくなります。

    • 特定の曜日

    • 昼休み前後

    • 夕方のピーク時間

    時間帯別に稼働率を確認することで、どの時間に無理が出ているのか、どこに余裕があるのかがはっきりします。この把握ができてはじめて、シフト調整や要員配置の見直しといった具体的な改善につなげることができます。

    応答率・離職率等ほかのKPIとの相関を見る

    次に、稼働率を単体で見るのではなく、他のKPIとあわせて確認します。複数の指標を並べて見ることで、数字の裏にある現場の状態が見えやすくなります。

     

    例えば、次のような組み合わせです。

    • 稼働率は高く応答率も維持できているが、離職率が上昇している

    • 稼働率は低いものの平均通話時間が短く、対応品質が低下している

    このように複数の指標を同時に確認すると、表面的な数値だけでは気づきにくい課題が浮かび上がります。

     

    稼働率は他のKPIと組み合わせて見ることで、センター全体のバランスを判断するための材料として、より正確に活用できます。

    現場ヒアリングで数字に現れない症状を拾う

    最後に欠かせないのが、現場の声を直接確認することです。

     

    稼働率はあくまで結果として表れる数値であり、実際の負担感や違和感までは十分に反映されないことがあります。

     

    例えば、現場では次のような状態が起きているケースもあります。

    • ACWが足りていない

    • 休憩が取りにくい

    • クレーム対応が増えている

    こうした兆候は、数値だけを見ていても気づきにくいものです。オペレータへのヒアリングを行い、数字の背景で何が起きているのかを確認することで、現場の改善につなげることができます。

    コールセンターの稼働率を改善する方法

    稼働率を改善するには、単に人を増やしたり減らしたりするだけでは、根本的な解決にはつながりません。

     

    具体的な改善方法は以下のようなものがあります。

    • 電話以外の相談窓口をふやして入電を分散させる

    • 対応時間をへらす工夫を取り入れる(AI・ナレッジ活用)

    • つながりやすい導線をつくる(IVR・振り分けの見直し)

    • ムリのないシフトに整える(予測と要員配置の見直し)

    電話以外の相談窓口をふやして入電を分散させる

    稼働率が高くなりやすいセンターでは、電話でなくても対応できる問い合わせが多く集まっているケースがあります。

     

    例えば、内容としては次のようなものです。

    • よくある質問への確認

    • 手続きの流れを知りたいだけの問い合わせ

    • 進捗や状況を確認するだけの連絡

    これらの問い合わせを、FAQやチャット・LINE・メールなどに誘導することで、電話対応が必要な件数そのものを減らすことができます。

     

    入電数を抑えられれば、結果として稼働率が急に跳ね上がるのを防ぎやすくなり、ピーク時間帯に集中していた負荷も緩和されます。

    対応時間をへらす工夫を取り入れる(AI・ナレッジ活用)

    これらの問い合わせを、FAQやチャット・LINE・メールなどに誘導することで、電話対応が必要な件数そのものを減らすことができます。

     

    入電数を抑えられれば、結果として稼働率が急に跳ね上がるのを防ぎやすくなり、ピーク時間帯に集中していた負荷も緩和されます。

    • よくある質問への確認

    • 手続きの流れを知りたいだけの問い合わせ

    • 進捗や状況を確認するだけの連絡

    こうした課題は、AIやナレッジの活用によって改善が期待できます。例えば、回答候補の提示や通話内容の自動要約、必要な情報をすぐに見つけられる検索環境を整えることで、対応にかかる時間を短縮できます。

     

    1件あたりの対応時間が数十秒短くなるだけでも、積み重なると稼働率には大きな差が生まれます。

     

    コールセンターにおける生成AIやAIエージェントについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

    コールセンターでの生成AI活用の具体事例と5つの活用メリット

    AIエージェントでコールセンター業務を効率化!活用方法と事例・導入まで

    つながりやすい導線をつくる(IVR・振り分けの見直し)

    IVRの設計が適切でない場合、不要な問い合わせまで有人対応に流れ込み、稼働率が上がりやすくなります。

     

    現場では、次のような状態が起きていることがあります。

    • 分岐が多すぎて迷う

    • すべての用件が同じ窓口に流れる

    • 自己解決できる内容でも人につながる

    このような状態が続くと、本来オペレータが対応すべき問い合わせに十分な時間を割けなくなり、結果として稼働率が不自然に高くなります。

     

    IVRを見直す際は、問い合わせ内容をできるだけ早い段階で切り分け、自動案内で完結できるものは自動で対応させることが重要です。適切な振り分けができれば、稼働の偏りを抑え、オペレータの負担を軽減しやすくなります。

    ムリのないシフトに整える(予測と要員配置の見直し)

    稼働率が高くなっている原因は、人手不足そのものではなく、配置が実態に合っていないことにある場合が多く見られます。

     

    次のような調整を行うことで、無理のない稼働率に近づけることができます。

    • ピーク時間に人を厚くする

    • 閑散時間の配置を見直す

    • 短時間シフトや在宅対応を活用する

    このように、実際の入電状況に合わせて配置を調整することで、特定の時間帯や一部の人に負荷が偏る状態を防ぎやすくなります。

    コールセンターの稼働率を上げるならAIボイスボット「commubo(コミュボ)」で実現

    稼働率を安定させるためには、人が対応しなくてもよい業務を減らす仕組みづくりが欠かせません。AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、一次受付や定型的な案内を自動化することで、オペレータの負担を抑えながら稼働率の適正化を支援します。

     

    混雑時の問い合わせを一度受け止めたり、要件を整理して適切な窓口へ振り分けたりすることで、不要な有人対応を減らすことができます。

     

    また、24時間対応が可能になるため、特定の時間帯に入電が集中する状態も緩和しやすくなります。

     

    その結果、稼働率が急激に跳ね上がるのを防ぎながら、応対品質を維持しやすい運営につながります。現場の頑張りだけに頼るのではなく、仕組みで稼働率をコントロールしたいと考えている場合は、ぜひ活用を考えてみてください。

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