コールセンターのACW(平均後処理時間)の最適化方法!AI活用で短縮するコツ
作成日:2026年2月5日 更新日:2026年2月5日

「ACWとAHTの違いが曖昧で説明できない…」
「計算式や業界の適正値を知りたい」
新任SVとして数値管理を任され、このような不安を感じてはいませんか?
言葉の定義を正しく理解し適正化を図ることで、センターの生産性は劇的に向上します。ここではACWの基礎から計算方法、具体的な短縮のコツまでを詳しく解説します。
この記事を読めば、迷いを解消して自信を持って業務改善の指示が出せるようになるはずです。
なお、他のKPIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
ACW(平均後処理時間)とは?コールセンターでの定義と重要性
コールセンター運営において、ACWはオペレータの業務効率を測るための極めて重要な指標となります。
ここでは言葉の正確な定義や計測の範囲、なぜこの数値を管理する必要があるのかについて詳しく解説します。
ACWの意味と日本語での考え方
ACW(After Call Work)とは、通話終了後に行う事務作業全般を指し、日本語では「平均後処理時間」と言います。
具体的には顧客との対応履歴入力や他部署への連携、お礼メールの送信などがこれに該当します。
顧客対応を完結させるために不可欠な工程ですが、時間が長引くと次の受電ができず、センター全体の生産性を下げる要因となってしまいます。
機会損失を最小限に抑えるため、単なる残務処理と捉えず、常に数値を適正化する意識を持って管理しましょう。
どこからどこまで?ACWの計測対象となる時間
ACWの計測対象は、通話終了後から次の着信を受けられる待機状態になるまでの時間と厳密に定義すべきです。
トイレ休憩や小休止といった「離席」を含めてしまうと、オペレータの純粋な処理能力や課題を正しく測ることができなくなるからです。
あくまで顧客対応に紐づく入力作業や後始末だけを抽出して計測しなければなりません。正確な評価を行うために、業務時間とそれ以外の時間を明確に区別して管理することが大切です。
なぜACWを管理しないと問題が起きるのか
健全なセンター運営を維持するためには、ACWの数値管理と適正化が欠かせません。
処理時間が長引くと1時間あたりの対応件数(CPH)が減り、採用費や人件費など運営コストの増大を招く要因となってしまうからです。実際にオペレータが電話を取れない状態が続けば、お客様の待ち時間が延びて放棄呼が多発する原因ともなります。
電話がつながらない状況は、顧客満足度を大きく低下させるリスクがあります。コストの無駄を省き、機会損失を防ぐために、現場のボトルネックの早期発見と解消に取り組むことが求められます。
ACWの計算式と目安・AHT・ATTとの違い
ACWを正しく管理するには、計算式や適正な目安を知ることが出発点です。ここでは基本的な算出方法に加え、混同しやすいAHT(平均処理時間)やATT(平均通話時間)との関係性、それぞれの違いについて整理して解説します。
ACWの計算方法と平均的な目安時間
ACWの適正化を図るには、まず正しい計算式を用いて現状の数値を把握し、業界の標準値と比較する必要があります。自社の数値が客観的な目安から乖離していないかを知ることで、改善の必要性を正しく判断できるためです。
ACWの計算方法
|
ACW = 後処理時間の合計÷総応答件数 |
一般的な目安である5分から6分(300秒〜360秒)を基準にします。
もしこの数値を大きく超過しているなら、業務フローや入力手順に深刻な課題がある可能性が高いといえます。改善の第一歩として、数値を正確に計測し比較することが何よりも重要です。
AHT・ATTとの違い
AHT(平均処理時間)は、ATT(平均通話時間)とACWを足した合計値であり、センターの処理能力を示す指標です。
両者の大きな違いは、コントロールの可否にあります。
ATTは顧客の話す速度や相談内容に左右されるため短縮が困難です。
一方で、ACWは社内努力で改善できる業務時間です。
つまりAHTの構成要素において、ACWこそがマネジメント可能な変数といえます。数値を適正化するためには、この三者の関係性と性質の違いを明確に把握しましょう。
AHTについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
ACWが長くなる原因と放置するリスク
ACWが長期化する背景には、必ず特定の原因が存在します。ここでは現場でよく見られる具体的な要因を掘り下げ、それらがセンター運営にどのような悪影響を及ぼすかについて詳しく解説します。
- オペレータのスキル差・入力速度の問題
- 業務フローの不備や重複業務
- マニュアル・ナレッジの検索性不足
オペレータのスキル差・入力速度の問題
ACWが長引く主な要因として、オペレータ個人のタイピングスキルや文章構成力の不足が挙げられます。
通話内容を素早く正確に文字に起こす基礎能力に差があるため、処理時間に大きなバラつきや遅延が生じてしまうのです。
具体的にはキーボード入力が遅い場合や、顧客の要望を要約できずに長文を書いてしまうケースが該当します。
特に業務に不慣れな新人は、何を記録すべきか迷う時間がそのまま大きなロスにつながります。個人の資質のみに依存せず、辞書登録や定型文の活用などで標準化を図る教育と、具体的な仕組化の徹底が求められます。
業務フローの不備や重複業務
オペレータの努力だけでなく、業務フローやシステム環境そのものの不備がボトルネックとなる場合も少なくありません。構造的な非効率が存在すると、熟練者であっても物理的に時間を短縮することが不可能となります。
例えば、通話中に手書きしたメモを終了後に転記したり、連携されていない複数の管理システムへ同じ内容を二重入力したりする作業がこれにあたります。不要な入力項目を削除するなど、プロセス自体の見直しが必要です。
無駄な工程を省くことは、ACW短縮の最も確実な手段であり、オペレータの負担軽減とミス削減にもつながります。
マニュアル・ナレッジの検索性不足
マニュアルやナレッジの検索性が低いことも、ACWを肥大化させる深刻な原因の一つです。
後処理の最中に不明点が生じた際、正解に辿り着くまでの時間がそのまま業務ロスとなって積み重なってしまうのです。
具体的には処理方法や報告コードがわからず膨大な紙資料から探したり、SVへの質問待ちで手が止まったりする状況が該当します。
必要な情報へ瞬時にアクセスできるFAQシステム等の検索環境を早急に整えるべきです。
検索性の向上は迷う時間をなくし、迅速な処理を実現するために不可欠な要素となり、結果として全体の生産性を高めます。
ACWを短縮する具体策とAIなどのツール活用
ACWが長引く原因を特定した後は、具体的なアクションプランを実行に移す段階です。ここではマニュアル整備といった現場レベルの改善策から、AIツールを活用して数値を劇的に下げる最先端の方法まで、効果的な短縮テクニックを紹介します。
FAQ・ナレッジベースの整備と運用
ACWを短縮するためには、検索性に優れたFAQやナレッジベースの整備と常に最新情報を維持する日々の運用が重要です。
オペレータが自身の判断で迷いなく処理を完結できる環境があれば、不明点を調べる時間やSVへの質問待ちをなくすことができるからです。
具体的には、キーワード一つで正解へ瞬時に到達できるシステムを構築し、誰の手も借りずに自己解決できる仕組みを整える必要があります。
情報を探す無駄な手間を省き、保留や相談時間を削減することが、確実な業務効率化とセンター全体の大きな数値改善に直結します。
AI・CRMなどツール活用による根本改善
人の手による短縮にはどうしても限界があるため、AIやCRM連携などのツール活用で抜本的な解決を図るべきです。
最新のテクノロジーが文案作成から記録まで様々な作業を代替すれば、人が行う入力作業そのものが物理的に削減されるからです。
たとえば通話内容の文字起こし~要約の自動化や、社内FAQ、応対後に送るメールの文案作成・添削などがあります。
AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、電話応対自体を自動化するサービスではありますが、音声をリアルタイムで認識しテキスト化する機能を備え、API等によって他システムと連携して情報を利用・反映するなど、有人転送時や、オペレータによる応対内容確認時に工数を削減する効果があります。
深刻な人手不足の解消とともに運営コストのさらなる大幅な削減もあわせて実現可能です。
自動化ツールによる業務効率改善についてはこちらの記事で事例をまとめていますので、参考にしてください。
ACWの短縮を図る際に注意すべきポイント
短縮に取り組む際は、スピードだけでなく品質とのバランスを見極める必要があります。ただ時間を削るだけでは、二次的なトラブルを招き、かえって生産性を落とす恐れがあるためです。ここでは安全に効率化を進めるために、必ず押さえておくべき注意点を解説します。
- ACWの目的を正しく理解する
- 記録の正確性を優先する
- ACW単体で評価しない
- 無理な短縮は求めない
ACWの目的を正しく理解する
ACW短縮を進める前に、その業務が持つ本来の目的を正しく理解しましょう。
「内容を正確に記録し、次の工程へスムーズに繋ぐ」という本来の役割を疎かにしては、センター運営において本末転倒な結果となるからです。
例えば、スピードを重視するあまり「処理済み」のチェックを入れるだけの形骸化した作業になってしまっては意味がありません。作業の要点を把握し、削減できる無駄な部分と品質担保のために絶対に削減してはならない部分を区別することが求められます。
顧客が発した細かな要望や不満のニュアンスこそが、商品開発やマーケティングにとって代えがたい貴重なデータとなります。正しい記録は顧客の声という重要な資産を守る行為です。単なる作業時間の削減ではなく、業務価値を高めるための最適化という意識を持つことで、質の高い運営を維持できます。
記録の正確性を優先する
ACWの短縮よりも、記録情報の正確性を最優先にする意識が不可欠です。入力項目の過度な省略や簡略化を行うと、必要な情報が抜け落ちてしまい、結果として後工程での確認作業や再対応といった無駄な時間を発生させてしまいます。
例えば、不十分な履歴が原因で、次回対応時に顧客へ同じ質問を繰り返すような事態は避けなければなりません。
さらに、不正確な記録は「言った言わない」のトラブルが発生した際に、自社やオペレータ自身の身を守る証拠としての効力を失わせてしまいます。正確な記録があれば、責任の所在が明確になり、次回の対応者がスムーズに状況を把握して顧客に安心感を与えられます。
ACW単体で評価しない
ACWの数値のみを単体で評価するのではなく、総合的な視点を持つことが大切です。時間短縮だけを過剰に強調してしまうと、オペレータが本来必要な入力まで削ってしまい、サービス品質が低下するリスクが高まるからです。
KPIはあくまで品質維持と業務効率化の両立ができているかを確認する指標として扱うのが適切です。数値を鵜吞みにせず、定期的に入力内容のモニタリングを行い、質の担保ができているかを確認するプロセスも不可欠です。
例えば顧客満足度や一次解決率といった他指標とあわせて分析し、バランスの取れた評価を行う必要があります。
このように多角的な視点を持つことで、数字の裏にある本当の課題や改善の兆しを正しく捉えられるようになり、真の改善策が見えてきます。
無理な短縮は求めない
現場の実情を無視した無理な短縮目標をオペレータに求めてはいけません。
「短ければ良い」という極端なプレッシャーは、焦りを生み出し、入力ミスやヒューマンエラーを誘発する直接的な要因となり得ます。過度な負荷は精神的な余裕を奪い、休職や離職率の上昇という最悪の事態を招く引き金にもなりかねないため注意が必要です。
誤った情報登録が原因で重大なクレームに発展すれば、短縮した数分とは比較にならない損失が生じることになります。
人が辞めない環境を作ることこそが、長期的に見て最もコストパフォーマンスの高い施策です。精神的な余裕を持たせ、正確な処理ができる範囲内での目標設定を行う配慮が必要です。
ACWの適正化はセンター改善の第一歩!ツールも活用し効率化を目指そう
ACWの適正化は、コールセンターが抱えるコスト増加や顧客満足度の低下といった課題を根本から解決する重要な施策です。
正しい定義に基づき現状を把握し、業務フローのボトルネックを解消することで、センター全体の生産性は確実に向上します。さらに、人の手による改善の限界を超えるには、最新テクノロジーの導入が欠かせません。
ソフトフロントジャパンが提供するAIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、電話応対をボイスボットが引き受けることで、ACWだけでなく総合的な有人の対応件数・対応時間を削減することができますし、有人対応との連携時にも文字起こし等によるACWを削減する仕組みも有しています。ACWの短縮や業務効率化に関するお悩みについては、ぜひソフトフロントジャパンへご相談ください。

commuboラボとは?
AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。










