9割が70代以上のお客様の電話解約受付を、AIボイスボットで自動化。
完了率が約90%・待ち呼は1日40〜50件から1桁へ、オペレータの増員ゼロを実現
株式会社 ホットアルバム炭酸泉タブレット様
- 業種重炭酸入浴剤の製造・販売/通販事業
- 事業内容入浴剤「HOT TAB(ホットタブ)」シリーズの開発・製造・販売。定期便サービスやギフトセットの展開
- 導入業務定期便の解約受付
- 導入目的入電急増時のオペレータ負担軽減・待ち呼の改善・曜日を問わない解約受付・顧客の利便性を向上
営業部 大澤恵梨奈様
(2026年8月時点)
導入前の課題
- テレビのインフォマーシャルでご高齢のお客様が急増し、伴う入電の増加がコールセンター業務を圧迫
- インフォマーシャルによる入電は急増した際には、1日に40〜50件の待ち呼が発生
- IVRを導入も、電話の解約受付は9割が70代以上のお客様のため、ボタン操作ができず離脱が多発
- 土日祝は平日以上に入電があったが、窓口営業時間外のため対応ができていなかった
導入効果
- ボイスボットによる解約受付は、完了率約90%を達成
- 待ち呼は1日1桁に減少し、解約の入電は待ち呼自体が発生しない体制に
- オペレータを増員せず、繁忙期も同じ体制で対応できる見通し
- 曜日を問わず解約手続きが完結する受付体制を実現
→ 現状維持)
9割が70代以上のお客様で、IVRでは操作が進まず。件数の多い「解約受付」を自動化の対象に
Q. 通販事業の近年の状況と、コールセンターが果たしている役割を教えてください。
佐藤様 :弊社は、重炭酸入浴剤「HOT TAB」シリーズの開発・製造・販売を手掛けるヘルスケア・入浴剤メーカーです。ドイツの療養用炭酸泉に着想を得て、血行促進や冷え症改善、疲労回復といった健康維持・予防医療をテーマに製品開発を行っています。
ドラッグストアや百貨店といった一般小売や、自社EC・大手ECモールでの販売、そしてテレビ・ラジオ通販などの販路で、単品での販売だけでなく、定期便サービスやギフトセットを展開しています。これまで新規のお客様との接点は主にラジオ通販やお客様による口コミが中心でしたが、2025年より新たにテレビのインフォマーシャル(長尺CM)をスタートしました。
インフォマーシャルの効果は以前の施策と比べてかなり大きく、コールセンターへの入電量が一気に増えました。インフォマーシャル経由のお客様は年齢層が高く、9割が70代以上、90代の方もいらっしゃいます。Webでも手続きはできるのですが、スマートフォンやPCの操作に不慣れであることが多く、ご注文からご解約まですべてお電話で完結されるお客様がほとんどです。
その他にコールセンターに寄せられるのは、お届け間隔や住所などの変更、コンビニ払いの払込用紙に関するお問い合わせ、ご自宅の浴槽で使えるかどうか、入浴に伴うお肌のご相談など、実にさまざまです。その中で件数として最も多いのが、定期便の解約のお手続きでした。
Q. commubo導入前は、どのような体制でお客様対応をされていたのでしょうか?
大澤様 :新規のご注文の受付は専門の委託先にお任せし、既存のお客様の対応は、外部委託のオペレータさん最大7名と、私たち西日本支社の社員4名で運用していました。私と佐藤は営業部の所属ですが、通販事業の拡大に伴い、2026年1月から既存のお客様の受電対応を担当することになりました。
定期便の利用者が増加すると、必然的に問い合わせ量も増加します。当時は入電の急増で、待ち呼(電話が集中して受けきれない状態)が、1日40〜50件発生する日もありました。「秋・冬の繁忙期には、オペレータさんを9〜10名体制にしなければ対応できないだろう」という状況でしたが、コスト面の制約から簡単には増員できなかったのです。そこで入電量に比例して人員を増やすのではなく、自動化によって人による対応件数を減らし、オペレータさんたちの負担を軽くする方法を模索しはじめました。
Q. 自動化にあたって、どのような体制を目指されたのですか?
佐藤様 :まず、入電全体の中で最も割合が高かった解約のお手続きを自動化したい、というのが出発点でした。プッシュボタン式のIVR(自動音声応答)でご用件ごとに窓口を分けたのですが、ご高齢のお客様にはこの方式が合いませんでした。対話ではない一方通行のご案内は不安が大きく、ボタン操作の段階でつまずいてしまうケースが多かったのです。
ご用件を話された後も「お電話をお切りください」の案内を覚えていらっしゃるとは限らず、応答を待ち続けて5時間以上通話がつながったままの事例もありました。ボタンではなく、お客様が話した言葉を受け取って進められる対話型でなければ届かないと痛感したのです。
もう一つ、強く感じていたのが営業時間の問題です。弊社の注文受付以外のコールセンターは、従来ですと平日の10時から17時なのですが、実際には土日祝の入電数は平日以上に多いのが現状でした。「新規のご注文は土日祝も受け付けているのに、解約のお手続きが平日だけなのは、いかがなものか」という葛藤があり、曜日に関係なく解約のお手続きを完結できる体制を実現したかったのです。
入電が最も多い解約受付に対象を絞り、プッシュ操作型のIVRではつまずきやすいご高齢のお客様でも「曜日を問わず手続きが完結する体制」を目標に設定。オペレータ対応は、お客様へのサービス案内やご相談対応に充てる方針を立てた。

ご高齢のお客様を混乱させない「応答の間合い」を評価し、commuboの導入を決定
Q. ボイスボットの比較検討では、どのような点を重視されましたか?
佐藤様 :弊社で利用しているクラウド型コールセンターシステム「BIZTEL(ビズテル)」と連携できることを前提に、他社のAIボイスボットとcommuboを比較検討しました。特に私たちが重点を置いたのは、お客様の発話に対するレスポンスの速さです。
ご高齢のお客様は、ご自分が話した後にすぐ返事が戻ってこないと「あれ、聞こえてる?」と追いかけてお話しされる傾向があります。そうすると、ボットはいったん返答をストップしてしまい、再度お客様が話した内容を理解してから改めて返答しようと処理を進めます。結果、ボットは無言の時間が長くなり、お客様は「もしもし?」の繰り返しになり、通話がなかなか進まなくなってしまうのです。早すぎず遅すぎない、絶妙な間合いが必要でした。
他社のボイスボットでも、応答の間隔を短くできないかと相談したのですが、技術的に難しいという回答でした。この微妙なさじ加減はcommubo独自のものだと分かり、PoC後に本導入を決定することになりました。
Q. 本契約までは、どのように費用対効果を確認されたのですか?
佐藤様 :お試し期間(PoC)の間に、約2,000件の解約のお手続きを完了まで処理してもらいました。平日の営業時間内の割合で換算すると、1日あたり約3.5人分のオペレータが処理していた解約受付を完了できた計算になります。
本契約をどうするか、最終決裁を副社長に仰いだところ、返ってきた言葉は「PoCの成果を見たら、commuboを導入しない選択肢はない」との回答があり、そのまま本契約に移行しました。
選定の決め手は、ご高齢のお客様との対話が破綻しない「応答の間合い」。PoCでの約2,000件の処理実績と1日約3.5人分(試算)のコスト削減効果が、そのまま決裁の根拠になった。
担当による伴走支援で、ご高齢のお客様向けに4〜5ステップの解約シナリオを実現
Q. 解約受付のシナリオは、どのような方針で設計されたのですか?
大澤様 :できるだけシンプルにする、を意識しました。冒頭に一方的なご挨拶や長いアナウンスが流れると、最後まで聞くことを待ちきれないお客様が多いのです。そのため、冒頭は簡潔に、社名も名乗らず「解約の受付をいたします」とお伝えして、次のステップへ進む形にしました。
通話開始からお手続きの完了まで、ステップは4〜5つです。シナリオの調整はPoCの段階でほぼ終わっており、本稼働になってから変えたものはほとんどありません。シナリオをシンプルにしているため、お手続きの完了まですんなり進まれるお客様が多いですね。
Q. お二人ともコールセンター業務は初めてだったそうですが、立ち上げはどのように進められましたか?
大澤様 :正直、初めは苦労もありました。ただ、commuboのカスタマーサクセスの方と作成したシナリオがPoCの段階からほぼ完璧だったのです。私たちがイチから作ろうとしても難しかったと思います。「こういった発言に対しては、こうした応答をする」とシナリオ設計をレクチャーいただけたので、すごく助かりました。
Q. カスタマーサクセスからの提案で印象に残っているものはありますか?
大澤様 :「1つの質問に対し、2回聴取を失敗した場合はオペレータへ転送する」という設定のご提案は印象に残っています。ご提案いただいてから、現在もこの設定のままです。
1回目はお客様の言い間違いの可能性もありますが、1回の聴取失敗でオペレータに転送するのはオペレータの負担もかかります。とはいえ成功するまで何回も聞き返すのは、お客様にストレスを与えてしまいます。そのため、ちょうどいい塩梅のタイミングでオペレータに転送するかは大事なポイントです。「2回間違えたら」という線引きは、解約受付の流れとしてとても良かったと思っています。
シナリオは「短く・シンプルに」がご高齢のお客様への最適解。つまずいたら2回でオペレータへ転送する設計により、自動化する部分と人が対応する部分の役割分担を明確にした。
解約受付の完了率は約90%。待ち呼は1日1桁に減り、増員ゼロで安定稼働を実現
完了率は約90%。途中離脱はわずかで、つまずいたお客様はオペレータが受け止める
佐藤様 :commuboによる解約受付の完了率は、2026年8月時点で約90%に達しています。完了に至らないケースの多くは、冒頭のお名前の確認より前に電話を切られてしまうケースであり、途中での離脱は本当に少ないですね。
残りは、有人対応でオペレータが受け止め、そこで確実にお手続きを完了させるように設計しています。すべてを自動化で完結させるのではなく、ボットと人が補い合う設計としたことが重要なポイントです。
待ち呼は1日40〜50件から1桁へ。増員予測を覆し、閑散期の体制のまま繁忙期に備える
佐藤様 :入電急増時には多くて1日40〜50件発生する日もあった待ち呼は、commubo導入後の現在は1日1桁まで減少しました。件数が最も多い解約の入電がAIボイスボットにつながるため、解約に関しては、応答率100%、待ち呼自体がなくなっています。
以前は「秋・冬の繁忙期には、オペレータさんを9〜10名体制にしなければ対応できないだろう」と見込まれていた体制も、最大7名のまま増員せずに維持。今後の繁忙期も、閑散期の体制のまま対応できる見通しです。
どんな企業でも同じだと思うのですが、忙しい時には人が欲しいが、閑散期には少なくてよいというのが本音です。しかし、そうはいかないのが現実です。委託先にも失礼ですし、何より人の育成や業務の習熟は一朝一夕では実現しません。人とAIによって安定した体制を実現できたことに意味があり、素晴らしいシステムができたと感じています。
解約受付の自動化により、完了率約90%・待ち呼1日1桁・オペレータの増員ゼロを実現(2026年8月時点)。自動化しきれないケースはオペレータへの転送で受け止め、体制を変えずに繁忙期へ備えられるようになった。

プッシュ操作から「声だけで完結する」窓口へ。自動化と有人対応の使い分けを進めていきたい
Q. 今後、commuboの活用をどのように広げていきたいとお考えですか?
佐藤様 :今ちょうど進めたいと考えているのが、お電話の一番最初の窓口対応です。現在は「解約は1番を、変更は2番を」というプッシュ操作の分岐が残っているのですが、そこでつまずいてしまうお客様がやはり一定数いらっしゃいます。手元でボタンを押すのではなく、お話しいただいた内容から次のステップへご案内できるようにしたい。それが直近で一番やりたいことですね。
あとは、「次回のお届けを9月1日から10月1日に変更してほしい」というような、一言で済むようなお手続きの自動化ですね。こうした軽微な設定変更は、できるだけお客様の負担にならない形で自動化していきたいです。その代わりに、入浴剤の使い方やおすすめ、効能のご相談のように丁寧なご案内が必要な部分は、人がしっかりと対応していきます。すべての対応を置き換えるのではなく、人とAIが強みを補完し合ってよりよいシステムを構築していけたらと考えています。
Q. 最後に、今後の御社の事業展望をお聞かせください。
佐藤様 :弊社の代表は「HOT TAB」の開発者でもあり、「この商品で日本のみんなを元気に、健康にしたい」という強い思いを持って事業を進めています。日本は働く世代のストレスや睡眠不足が課題で、健康年齢は寿命よりかなり低いと言われています。
お風呂という日本独特の文化を持つ国だからこそ、あらゆる世代にこの商品を届けていきたい。インターネットだけでは届かないご高齢のお客様がいらっしゃる以上、お電話での対応にもしっかり力を入れ続けたいと思っています。
まとめ
テレビのインフォマーシャル本格化で入電が急増する中、件数の最も多い定期便の解約受付が有人対応を圧迫し、待ち呼が1日40〜50件発生する日もありました。プッシュ操作型の自動音声では手続きを完了できないお客様が多く、土日祝の入電に応えられない営業時間の制約も課題でした。
同社が評価したのは、ご高齢のお客様との対話が破綻しないcommuboの「応答の間合い」でした。PoCでは約2,000件の解約手続きを処理し、1日約3.5人分のコスト削減効果を確認。シナリオは4〜5ステップのシンプルな設計とし、同じ質問を2回間違えたらオペレータへ転送する、自動化と有人対応の使い分けを組み込みました。その結果、解約受付の完了率は約90%に到達し、待ち呼は1日1桁に減少。見込まれていたオペレータの増員も不要になりました。
電話でしか手続きできないお客様に向き合いながら、現場の負担を減らす。EC通販事業者にとって、人とAIのよりよい仕組みを目指す事例です。
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