VOC分析とは?問い合わせ削減・CX改善につながる業務改善の方法を紹介
作成日:2026年6月24日 更新日:2026年6月24日

近年、コールセンター・コンタクトセンターでは、問い合わせ件数増加や顧客ニーズ多様化によって、応対品質向上や業務効率化が課題となっています。
実は、問い合わせ対応の中には、顧客の不満や要望、つまずきポイントなど、多くのVOC(Voice of Customer:顧客の声)が蓄積されています。
VOC分析を活用し、問い合わせ傾向把握やFAQ改善、CX(Customer Experience:顧客体験)向上につなげる企業も増えています。
この記事では、VOC分析の概要や重要性、分析の行い方、AIを活用するメリットについて解説します。
VOC分析とは?
VOC分析とは、顧客の声を収集・分類・可視化し、改善施策へ活用する取り組みです。
VOCは「Voice of Customer」の略であり、日本語では「顧客の声」を意味します。具体的には、問い合わせやアンケート、口コミ、SNS投稿などで顧客から寄せられる意見や要望、不満などを指します。
これらのデータを分析することで、顧客がどのような課題や不満を抱えているのかを把握しやすくなります。
VOC分析の目的は、顧客の声をもとに、問い合わせ削減や応対品質改善、商品・サービス改善、CX(顧客体験)や顧客満足度の向上につなげることです。
特に、コールセンター・コンタクトセンターには多くの問い合わせデータが蓄積されているため、センター内の改善(問い合わせ削減や応対品質改善など)から会社全体の改善(商品・サービスの改善や新製品への参考情報)へ幅広く活用されています。
コールセンターでVOC分析が重要な理由
コールセンターには、質問・不満・要望などのコールリーズンを持って問い合わせが寄せられるため、多くのVOCが蓄積されています。
問い合わせ内容を分析し、FAQ改善や問い合わせ削減、応対品質向上などへつなげることで、お客様のお困りごとを減らし、顧客満足度の向上につながります。
特に、問い合わせ件数が多い内容を分析することで、顧客がどの場面で課題を感じているのかを把握しやすくなります。
また、Webサイト改善や自己解決率向上、問い合わせ削減などへ活用されるケースもあります。
また、コールセンターに寄せられるお問い合わせは、顧客の生の声を直接把握できる貴重な機会です。商品やサービスへの不満、要望、疑問には、改善や新たな価値創出につながるヒントが数多く含まれています。また、問い合わせのためにわざわざ時間を割いて企業へ連絡してくれる顧客は、自社との接点を持ち続けている重要なお客様です。その声を丁寧に収集・社内にフィードバックすることが、サービス品質向上や継続利用につながります。
近年では、音声認識やAIを活用し、通話音声データを分析する企業も増えています。[文字列の折り返しの区切り]これにより、従来は活用が難しかった音声データも、感情分析や発話傾向の把握、コールリーズン分析の精度向上などへ活用しやすくなっています。
VOC分析の進め方
VOC分析では、顧客の声を収集するだけでなく、分析・可視化を行い、改善施策へつなげることが重要です。ここでは、VOC分析の基本的な進め方や代表的な分析手法について解説します。
- 分析目的を明確化する
- 収集するVOCを決定し、データを集める
- VOCデータを分析・可視化する
- 改善施策へ反映する
- 効果を検証し、継続的に改善を行う
分析目的を明確化する
まずは、「問い合わせ削減」「顧客満足度向上」「応対品質改善」など、VOC分析を行う
目的を明確化することが重要です。目的が曖昧なまま分析を進めると、改善施策へつながりにくくなる場合があります。
収集するVOCを決定し、データを集める
次に目的に合わせて、問い合わせログや音声データ、アンケートなど、さまざまなVOCデータを収集します。収集するデータの具体例としては、以下のようなものがあります。
| データ種類 | 内容 | 想定される活用場面 |
|---|---|---|
|
問い合わせログ・応対履歴 |
コールセンターなどで蓄積される問い合わせログや応対履歴 |
FAQ改善、問い合わせ削減 |
| 通話音声データ |
通話内容から、顧客の不満や感情などのテキストだけでは把握しづらい情報を知ることができる |
感情分析、応対品質改善 |
| アンケート・NPS(Net Promoter Score) |
顧客満足度評価で商品・サービスに対する評価を可視化できる |
問い合わせ削減・応対品質改善 |
収集するデータによって把握できる内容が異なるため、分析目的に合わせて適切なデータを収集することが重要です。
VOCデータを分析・可視化する
収集したVOCデータは、問い合わせ内容や顧客属性、発生頻度、感情傾向などの観点で分析・可視化します。
分析の主な流れは次の通りです。
- 件数・頻度分析で異変やトレンドを察知する
- 分類・タグ付け / コールリーズン分析で「どこ(どの用件)で問題が起きているか」を絞り込む。
- テキストマイニング / 感情分析で「顧客の具体的な言い回しや、不満の強さ(理由と感情)」を深く理解し、具体的な改善策(FAQ修正など)に落とし込む。
具体的な分析手法としては、以下のようなものがあります。分析結果を表やグラフで整理することで、顧客がどのような課題を抱えているのか、どの改善施策を優先すべきかを判断しやすくなります。
| 分析軸 | 分析方法名 | 分析方法の内容 | 効果(活用例) |
|---|---|---|---|
|
定量分析 (何が・どれくらい) |
件数・頻度分析 |
問い合わせ件数や発生頻度を集計し、全体のボリュームやトレンドを把握する。 |
問い合わせの削減、対応すべき改善施策の優先順位付け |
| コールリーズン分析 |
コールセンターに問い合わせが発生した「理由・用件」を大分類・小分類に分けて集計する。 |
FAQの改善、Webサイトの導線改善による自己解決率の向上 |
|
| 定性分析 (何を・どう感じて) |
分類・タグ付け |
自由記述や発話内容を、「料金」「解約」「不具合」「クレーム」などの特定のカテゴリに手動または自動で振り分ける。 |
顧客が抱える具体的な課題傾向の把握、応対品質の向上 |
| テキストマイニング |
問い合わせ文やアンケート自由回答から頻出語や関連語を抽出する |
潜在的な顧客ニーズの掘り起こし、商品・サービスの改善 |
|
| 感情分析(サティスファクション分析) |
顧客の発言や文章から、ポジティブ・ネガティブ・ニュートラルなどの感情傾向を判定・分析する。 |
クレーム化の兆候把握、オペレーターの応対品質改善 |
また、分析結果をダッシュボードやレポートとして可視化することで、部門間共有や継続的な改善にも活用しやすくなります。
改善施策へ反映する
分析結果は、FAQ改善や応対品質改善、オペレータ教育だけでなく、自己解決率向上や応答率改善などのKPI改善につながる施策へ反映することが重要です。#1.FAQやナレッジを改善する
問い合わせ件数が多い内容を分析することで、顧客が自己解決しにくいポイントを把握できます。よくある質問をFAQに追加したり、回答内容を分かりやすく修正したりすることで、顧客の自己解決を促し、問い合わせ削減につなげやすくなります。
Webサイトや導線を改善する
料金、解約方法、配送状況、手続き方法に関する問い合わせが多い場合は、Webサイト上の情報や導線が分かりにくい可能性があります。その場合は、該当ページの情報設計や導線を見直すことで、問い合わせ発生を抑えられる場合があります。
応対品質やオペレータ教育に活用する
通話内容や応対履歴を分析することで、対応に時間がかかっている問い合わせや、クレームにつながりやすい応対パターンを把握できます。分析結果をトークスクリプトやマニュアルへ反映することで、応対品質の標準化やオペレータ教育にも活用できます。
ボイスボットやIVRのシナリオ改善に活用する
問い合わせ理由を分類することで、ボイスボットやIVRで自動化しやすい問い合わせを判断しやすくなります。例えば、営業時間案内、配送状況確認、予約変更、手続き案内など、定型化しやすい問い合わせを自動化シナリオへ反映することで、オペレータ負荷軽減や応答率改善につながります。
商品・サービス改善に活用する
VOCには、商品やサービスに対する不満、要望、改善点も含まれています。用件や口コミを分析し、顧客が不便に感じている点を把握することで、商品改善やサービス改善にも活用できます。
また、VOC分析は、問い合わせ件数や自己解決率、応答率、AHT(平均処理時間)など、コールセンター運営で重視される各種KPIの改善にも活用されています。
このように、VOC分析の結果は、FAQ・Webサイト・応対品質・自動化シナリオ・商品改善など、さまざまな改善施策へ活用できます。分析して終わりにせず、継続的に改善へ反映していくことが重要です。
効果を検証し、継続的に改善を行う
VOC分析は一度実施して終わりではありません。継続的に分析・改善を繰り返し、PDCAを回し続けることで、CX改善や問い合わせ削減につながります。
VOC分析で失敗しないための4つのポイント
VOC分析は、データを収集するだけでは十分な効果につながらない場合があります。
分析目的や運用体制が曖昧なまま進めると、現場で活用されず、改善施策へつながらないケースも少なくありません。そのため、分析結果を業務改善へ活かせる体制を整えたうえで運用することが重要です。
ここでは、VOC分析で失敗しないために押さえておきたいポイントを4つ解説します。
- 分析目的やKPIを曖昧にしない
- 分析結果を現場で使える形に落とし込む
- 個人情報や機密情報の取り扱いに注意する
- 部門ごとに分散したVOCを共有できる体制を整える
分析目的やKPIを曖昧にしない
VOC分析では、分析目的やKPIを明確にすることが重要です。
VOC分析では、分析目的やKPIを曖昧にしたまま進めると、分析結果をどのように活用すべきか判断しづらくなるからです。
例えば、「問い合わせ削減」「CX改善」「応対品質向上」など、目的によって確認すべきデータや分析方法は異なります。
そのため、事前に目的やKPIを整理したうえで分析を進めることがポイントです。
分析結果を現場で使える形に落とし込む
VOC分析は、現場で活用できる形に落とし込むことが重要です。
単にレポートを作成するだけで終わってしまうと、実際の業務改善につながりません。
実際には、例えば、FAQの追加・修正、トークスクリプト改善、ボイスボットのシナリオ見直し、Webサイト導線改善など、実際の業務改善へ反映することが求められます。
分析結果を実務に直結させ、それらを現場で使える形に落とし込むことが不可欠です。
個人情報や機密情報の取り扱いに注意する
VOC分析では、個人情報や機密情報の取り扱いに十分注意する必要があります。
問い合わせログや通話音声には個人情報が含まれる場合があり、管理が不適切だと情報漏えいリスクにつながるためです。
例えば、外部ツールや生成AIを利用する際に入力データの管理ルールが不明確だと、意図せず情報が外部に流出する可能性があります。
データ管理方法やアクセス権限、外部ツール利用時のセキュリティ体制を事前に確認しておく必要があります。特に、生成AIや外部分析ツールを活用する場合は、入力データ範囲や管理ルールを整理しておくことがポイントです。
部門ごとに分散したVOCを共有できる体制を整える
部門横断で共有できる体制を整えることも重要なポイントです。
VOCデータがコールセンターや営業部門、マーケティング部門などに分散している場合、顧客課題を全体最適で把握できず、改善施策にもつながりにくくなります。個別でしかVOCが管理されていないと、同じ顧客課題が繰り返され、顧客不満の発生につながりかねません。
部門横断で一元的に共有・活用できる体制を整えておくことが大切です。
VOC分析にAIを活用するメリット
近年では、問い合わせ件数増加や音声データ活用ニーズの高まりによって、従来の手作業だけでVOC分析を行うことが難しくなっています。
特に、コールセンター・コンタクトセンターでは、大量の問い合わせログや通話データが日々蓄積されており、分析工数増加が課題となるケースも少なくありません。
分析効率化や業務負担軽減に加え、人手では見つけにくい問い合わせ傾向や顧客ニーズを把握しやすくなることから、AIを活用したVOC分析が注目されています。
VOC分析にAIを活用することで、次のようなメリットが期待できます。
- 大量データを効率的に分析できる
手作業では時間がかかる大量の問い合わせログや音声データの分析も短時間で実施しやすくなるため、分析工数削減につながる。 - 音声データを活用できる
音声認識技術を活用することで、通話内容を自動でテキスト化できる。これまで活用が難しかった音声データも、感情分析や問い合わせ傾向分析などへ活用しやすくなる。 - リアルタイムまたは準リアルタイムで分析しやすくなる
AIツールによっては、用件傾向や顧客感情をリアルタイムまたは準リアルタイムで把握しやすくなり、FAQ改善や応対品質改善を迅速に進めやすくなります。
このように、AIを活用することでVOC分析の効率化だけでなく、分析精度の向上や改善サイクルの高速化も実現でき、カスタマーサポート全体の品質向上につながります。
AIボイスボット「commubo」を活用したVOC分析・コールセンター業務改善
コールセンター・コンタクトセンターでは、人手不足や問い合わせ増加による応答率低下、オペレータ負荷増加など、さまざまな課題が発生しています。[文字列の折り返しの区切り]また、問い合わせ対応の中には、顧客の不満や要望など、多くのVOC(顧客の声)が蓄積されている一方で、十分に分析・活用できていないケースも少なくありません。
そのため、限られた人員で安定した運営を実現しながら、VOC分析による問い合わせ傾向把握やFAQ改善、応対品質向上を進めることが重要です。
自然会話AIボイスボット「commubo」は、問い合わせ一次対応や定型対応を自動化するだけでなく、文字起こしによる通話内容の可視化など、VOCの活用にも貢献します。
さらに、定型的な問い合わせは自動対応し、複雑な問い合わせや個別判断が必要な内容はオペレータへスムーズに引き継ぐことで、応答率改善や業務効率化を支援します。
VOC分析やコールセンター業務改善をご検討の際は、ぜひソフトフロントジャパンまでお気軽にお問い合わせください。

commuboラボとは?
AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。








