カスハラとは?コールセンターにおける判断基準と現場で使える対応策を解説 

作成日:2026年5月25日 更新日:2026年5月25日

「長時間の電話で業務が進まない」「暴言や過度な要求に対応し続けてしまう」といった課題に悩んでいませんか。 


コールセンターでは、顧客対応の中でカスハラ(カスタマーハラスメント)が発生するケースが少なくありません。しかし、正当なクレームとの線引きが難しく、現場の判断に委ねられているのが実情です。 


そのため、適切な判断基準や対応フローを整備し、組織として対応できる体制を構築することが重要です。 


本記事では、カスハラの定義や具体例を整理するとともに、正当なクレームとの違い、現場で活用できる対応フローや対策についてわかりやすく解説します。 

カスハラとは?コールセンターにおけるカスハラの定義

はじめに、コールセンターにおけるカスハラの定義について解説します。 

カスハラとは

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客からの過度な要求や不当な言動により、従業員に精神的・時間的負担を与える行為を指します。 


コールセンターにおいては、電話という閉じたコミュニケーション環境の中で発生するため、長時間拘束や暴言、過剰な要求といった形で表面化しやすい特徴があります。また、正当なクレームとの境界が曖昧になりやすく、現場判断に委ねられるケースが多い点も課題です。 


そのため、電話対応に特化した明確な判断基準と対応ルールを整備することが重要となります。 

カスハラと正当なクレームの違い

カスハラ対応が難しい理由の一つは、正当なクレームとの線引きが曖昧になりやすい点にあります。 


正当なクレームは、サービス改善や問題解決を目的とした合理的な指摘です。一方でカスハラは、結果として過度な要求や不当な言動となり、従業員に過剰な負担を与える行為を指し、長時間拘束や繰り返し対応を伴う傾向があります。 


特に電話対応では、通話時間や対応回数も一つの参考指標となりますが、それだけで判断することはできません。要求内容の妥当性や発言の内容、対応の継続性などを総合的に踏まえたうえで、カスハラに該当するかを判断する必要があります。 

電話対応で発生するカスハラの具体例

コールセンターにおけるカスタマーハラスメント(カスハラ)は、現場の生産性やオペレータの負担に大きな影響を与える課題です。特に電話対応では言動がエスカレートしやすく、AHT(平均処理時間)の増加や応答率の低下といったKPI悪化、応対品質の低下にもつながります。   


ここでは、電話対応で発生しやすいカスハラの代表例を解説します。 

  • 長時間通話による拘束 
  • 暴言・威圧的発言 
  • 同一内容の繰り返し要求 
  • エスカレーションの乱用 

長時間通話による拘束

長時間通話による拘束は、不必要に通話を引き延ばしてオペレータを長時間拘束する行為です。問題が解決しているにもかかわらず話し続ける、同じ内容を繰り返す、雑談を続けるといったケースが該当します。 


このような対応が続くと、回線が占有されることで他の顧客対応が遅れ、応答率の低下や待ち時間の増加につながります。また、オペレータ1人あたりの処理件数が減少するため、センター全体の生産性にも影響を与えます。 

暴言・威圧的発言

怒鳴り声や強い口調での要求、人格否定や脅しといった言動は、代表的なカスハラの一つです。電話対応では対面よりも心理的な距離があるため、こうした発言がエスカレートしやすい傾向があります。 


これにより、オペレータの精神的負担が増大し、対応への不安やストレスが蓄積されます。結果として、応対品質の低下や離職率の上昇といった形で、センター運営にも影響が及びます。 

同一内容の繰り返し要求

既に説明済みの内容について何度も説明を求める、納得しないまま同じ質問を繰り返すといったケースもカスハラの1つです。 


一見すると正当な問い合わせに見える場合でも、過度に繰り返される場合はカスハラに該当する可能性がありますが、理解不足や説明の不十分さによるケースもあるため、状況を見極めた判断が必要です。このような対応は通話時間の長期化を招き、AHTの悪化やオペレータの負担増加につながります。 

エスカレーションの乱用 

エスカレーションの乱用とは、「上司を出してほしい」といった要求を過度に繰り返し、上席対応を強要する行為です。 


本来必要のないエスカレーションが発生することで、SVの業務負担が増加します。また、オペレータ自身の判断で対応できなくなることで、現場の自立性の低下にもつながります。 

カスハラ被害がもたらす深刻な影響

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、単なる個別対応の問題にとどまらず、コールセンター全体の運営にさまざまな悪影響を及ぼします。ここでは主な影響について整理します。

  • 従業員の精神的・身体的負担 
  • 離職率の増加 
  • 応対品質への悪影響 
  • 業務効率と生産性の悪化 

従業員の精神的・身体的負担 

暴言や長時間拘束といった対応が続くことで、オペレータに大きなストレスがかかります。精神的な疲弊だけでなく、体調不良やモチベーション低下につながるケースも少なくありません。 

離職率の増加 

カスハラによる負担が蓄積すると、職場環境への不満が高まり、離職につながるリスクが高まります。特に新人や経験の浅いオペレータほど影響を受けやすい傾向があります。 

応対品質への悪影響

カスハラ対応に時間や意識が割かれることで、他の顧客対応に十分なリソースを割けなくなります。その結果、対応の質が低下し、顧客満足度の低下を招く可能性があります。 

業務効率と生産性の悪化

長時間通話や不必要なエスカレーションにより、対応件数が減少し、センター全体の生産性が低下します。結果として、応答率の悪化や待ち時間の増加といった運営上の課題にも直結します。 

コールセンターにおけるカスハラ対応フローとポイント

カスハラ対策では、オペレータ個人の判断に依存するのではなく、組織として統一された対応フローとルールを整備することが重要です。 

カスハラ対応フロー

カスハラ対応は、段階的に対応レベルを引き上げるフローを設計することが基本です。 


通常対応から開始し、過度な要求や長時間拘束が見られた場合には、対応範囲を明確に伝えます。その後も改善が見られない場合はエスカレーションを行い、最終的には通話終了の判断を行います。 

  1. 通常対応(問題解決) 
  2. 過度な要求・長時間化の兆候 
  3. 注意・対応範囲の明示
     (例:対応可能範囲を説明) 
  4. 改善されない場合 
  5. エスカレーション(SV対応) 
  6. それでも改善されない場合 
  7. 通話終了(事前案内のうえ対応終了) 

このように対応段階を明確にすることで、オペレータが迷わず判断できる環境を整えることができます。また、次回以降同じようなカスハラを受けた際にどのような対応をとるかについても検討する必要があります。 

対応時のポイント

カスハラ対応では、まずオペレータが感情的にならず、冷静かつ一定の対応姿勢を保つことが重要です。相手の発言に過度に反応せず、事実ベースで対応を進めることで、トラブルの拡大を防ぐことができます。 


また、やり取りの内容は必ず記録に残し、後から確認できる状態にしておくことも欠かせません。通話内容や対応履歴を可視化することで、組織としての判断や再発防止にもつながります。さらに、一定の基準をもとに早い段階でエスカレーション(上席対応)を判断することも重要です。無理に現場で抱え込まず、状況に応じて担当者の交代や上長への引き継ぎを行うことで、オペレータ個人への負担集中を防げます。 


加えて、対応の長時間化を防ぐために、あらかじめ対応範囲や終了条件を明確にしておくことも有効です。例えば「対応時間の目安」や「これ以上は対応できないライン」を定めておくことで、過度な要求への対応をコントロールしやすくなります。 


これらを徹底することで、トラブルの長期化を防ぎながら、オペレータの心理的負担を軽減し、組織として安定した対応体制を構築することが可能になります。 

コールセンターにおけるカスハラ対策

コールセンターにおけるカスハラ対策は、個人の対応力に依存するのではなく、組織として仕組み化することが重要です。対応ルールや判断基準を明確にし、記録・共有・エスカレーションを徹底することで、現場の負担を分散しながら安定した対応体制を構築できます。  


ここでは、コールセンターにおいて実践すべき具体的なカスハラ対策について解説します。 

  • 対応ルール・判断基準を明確にする 
  • 通話録音と対応履歴の記録を徹底する 
  • エスカレーション基準を整備する 
  • 組織全体で対応できる体制をつくる 

対応ルール・判断基準を明確にする

カスハラ対応を現場任せにしないためには、具体的な運用ルールをあらかじめ定めておくことが重要です。例えば、通話時間の上限、対応回数の目安、注意喚起を行うタイミング、通話終了を判断する基準などを明文化することで、対応のばらつきを防ぎやすくなります。  


あわせて、悪質なケースに備え、どの段階で対応を打ち切るか、法的対応を検討するかといった基準も整理しておく必要があります。 

通話録音と対応履歴の記録を徹底する

通話録音は、カスハラ対策における基本的な手段の一つです。録音していることを事前に案内することで、暴言や過度な要求の抑止が期待できます。 


また、録音データや対応ログを残しておくことで、トラブル発生時の客観的な証拠として活用できるだけでなく、過去の対応履歴をもとに適切な判断をしやすくなります。こうした記録の蓄積は、再発防止や社内共有にも有効です。 

エスカレーション基準を整備する

オペレータだけで抱え込まないためには、どのような場合にSVや管理者へ引き継ぐのかを明確にしておくことが重要です。例えば、暴言が続く場合、同じ要求が繰り返される場合、謝罪や説明を尽くしても収束しない場合など、エスカレーションの条件を具体化しておくことで、判断の迷いを減らせます。  


基準が明確であれば、現場の心理的負担を軽減しつつ、対応の一貫性も高められます。 

組織全体で対応できる体制をつくる

カスハラ対策は、オペレータ個人の対応力だけに依存させるのではなく、現場・SV・管理者が連携できる体制を整え、必要に応じて法務や専門部署とも連携できる仕組みをつくることが重要です。  


さらに、録音データや対応事例を共有し、ナレッジとして蓄積することで、属人的ではない再現性のある対応につながります。組織全体で守る体制を整えることが、従業員保護と安定したセンター運営の両立に直結します。 カスハラ対策は運用ルールや判断基準の整備が前提となりますが、そのうえで業務の一部を自動化することで、リスク低減を図る企業も増えています。  

AIボイスボット「commubo(コミュボ)」でカスハラから現場を守る 

コールセンターにおけるカスハラ対策では、現場の負担を軽減しながら安定した運営を維持することが重要です。しかし、人的対応だけでは長時間拘束や過度な要求を完全に防ぐことは難しいのが現状です。 


こうした課題に対しては、AIを活用した業務の自動化と接点の最適化が有効です。 


自然会話AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、問い合わせの一次対応を自動化することで、オペレータへの接続件数を削減し、結果としてカスハラが発生する接点の減少につながります。  


また、定型対応をAIが担うことで通話時間の抑制や対応範囲の明確化が可能となり、現場の負担軽減につながります。 


さらに、エスカレーションの発生頻度を抑制できる可能性があり、結果としてSVの管理負担軽減にもつながるケースがあります。  


コールセンターのカスハラ対策をご検討の際は、ソフトフロントジャパンまでお気軽にお問い合わせください。 

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