放棄呼とは?生じる原因やデメリット、今すぐできる対策をわかりやすく解説
作成日:2026年4月16日 更新日:2026年4月16日

「放棄呼が増えているが、何から対策すべきかわからない」
「放棄呼率の目安や改善方法を知りたい」
コールセンターを運営する中で、このような課題を感じていませんか?
放棄呼は、オペレータにつながる前に顧客が電話を切ってしまう状態を指し、機会損失や顧客満足度の低下に直結する重要な指標です。
しかし、単に人員を増やせば解決する問題ではなく、KPI全体のバランスや導線設計、需要予測などを踏まえた対策が求められます。
この記事では、放棄呼の基礎知識(定義・計算方法・関連指標)から、発生原因、企業にもたらす影響、優先順位別の改善施策までをわかりやすく解説します。
放棄呼とは
はじめに、放棄呼の基本についておさえておきましょう。
放棄呼の定義
放棄呼とは、コールセンターの入電においてオペレータとつながる前に顧客が自ら切断したコールのことです。
放棄呼の増加は機会損失や顧客満足度の低下につながるため、放棄呼を減らす対策を行う必要があります。
放棄呼とあふれ呼・待ち呼の違いは?
放棄呼に似た言葉に「あふれ呼」と「待ち呼」がありますが、それぞれ意味が異なります。
あふれ呼:コールセンターの回線数や同時着信上限を超えてしまい、システム上そもそも着信を受け付けられない状態の電話
待ち呼:回線には接続できているものの、対応可能なオペレータが不足しているため、顧客が順番待ちをしている状態の電話
放棄呼は、この待ち呼の状態で顧客が待ちきれずに自ら切断した電話を指すケースが一般的です。そのため、待ち呼の増加は放棄呼の増加につながりやすい関係にあります。
放棄呼率とは
放棄呼率とは、全体のコール数に対して放棄呼が占める割合のことを指します。応答効率や顧客満足度を図るために重要な指標です。
「放棄呼率(%)=放棄呼数÷着信件数×100」で計算できます。
一般的に、放棄呼率の目安は5〜8%程度とされています。
国際的なコールセンター指標(ICMIなど)では、5%未満が望ましい水準とされており、10%を超える場合は改善が必要とされています。
ただし、業界や問い合わせ内容によって適正水準は異なります。
例えば、ECや金融業界では3〜5%程度が求められる一方で、ITサポートや公共窓口では8〜10%程度まで許容されるケースもあります。
そのため、一般的な目安だけで判断するのではなく、自社の過去推移や繁忙期との比較を踏まえて評価することが重要です。
一方で、放棄呼率のみを単独で改善しようとすると、他のKPIに悪影響を与える可能性があります。
例えば、ASA(平均応答速度)を短縮しようとしてオペレータの負荷を高めすぎると、AHT(平均処理時間)が延びたり、応対品質が低下する恐れがあります。オペレータの疲労がたまり、説明が冗長的になったり、一次解決率が下がり再入電、クレーム化などに繋がります。
また、SL(サービスレベル)やACW(後処理時間)とも密接に関係しており、これらの指標は相互に影響し合います。
このように、放棄呼率は単体で管理するのではなく、KPI全体のバランスを踏まえて最適化することが大切です。
KPIの関係については、以下の記事などを参考にしてください。
放棄呼が生じる原因3選
ここでは、コールセンターで放棄呼が生じる原因を3つ解説します。
- 対応力の供給不足(オペレータのキャパ不足)
- コール需要の集中
- 導線設計の問題
コールリーズンを分析する目的は多岐にわたります。センターが抱える様々な課題を可視化して、改善の方向性を定めるために有効な手段です。
代表的な3つのメリットについて、具体的に確認しましょう。
対応力の供給不足(オペレータのキャパ不足)
入電数に対して単純にオペレータの数が足りていない場合、あふれ呼や待ち呼が発生し、放棄呼につながります。
また、対応スキルが不足している場合、1件あたりの処理時間が長期化し、次の入電への応答が遅れることでASA(平均応答速度)も悪化します。
その結果、待ち時間の増加によって顧客が途中で離脱する可能性が高まり、放棄呼の発生につながりやすくなります。
コール需要の集中
特定の時間帯や曜日、キャンペーン前後などで入電が集中することで、コールセンターが混み合い、放棄呼が生まれやすくなります。
そのほかにも、FAQなどの自己解決方法や、チャットなど他の問い合わせの手段が少ないことにより、顧客からの問い合わせが電話に集中してしまうことも要因の1つだといえます。
導線設計の問題
IVR(自動音声応答システム)の内容がわかりにくかったり、プッシュ操作が複雑で数回繰り返す必要があったりする場合、顧客が離脱しやすく、自ら電話を切ってしまいやすいです。
また、待ち時間のガイダンスがなかったり、何分待つかわからず同じ案内を繰り返しされたりする場合も、顧客が途中で電話を切ってしまいやすくなり、放棄呼の増加につながります。
放棄呼がもたらすデメリット
ここでは、放棄呼のデメリットについて3つの観点から解説します。
- 機会損失
- 顧客満足度やイメージの低下
- オペレータ負担の増大
機会損失
商品購入や資料請求、契約申し込みなど、具体的な顧客行動に直結する窓口で放棄呼が発生すると、本来獲得できたはずの売上やリードを失うことになります。
特に、購買意欲が高まっているタイミングでの問い合わせは早急な対応が必要であると考えられるため、放棄呼の増加はコンバージョン機会の損失にもつながるといえます。
さらに、一度離脱した顧客が再度問い合わせを行うとは限りません。競合他社へ流れる可能性もあり、中長期的な売上機会の逸失やLTV(顧客生涯価値)の低下にも影響します。
顧客満足度やイメージの低下
電話がオペレータになかなかつながらない状況は、顧客に大きなストレスを与えます。長時間の待機やかけ直しの手間が生じることで顧客満足度は低下し、企業や商品に対する印象も悪化する恐れがあります。
また、放棄呼が増加すると連絡が取りづらいというイメージが定着しやすくなります。特にトラブルや緊急性の高い問い合わせの場合、対応の遅れは企業の不信感を強める要因となります。その結果、リピート率の低下や口コミ評価の悪化など、中長期的なブランドイメージの悪化につながる可能性もあります。
オペレータ負担の増大
放棄呼が増加すると、つながらなかった顧客からの再入電が発生しやすくなります。
再入電時には一度待たされたことによる不満や焦りを抱えているケースも多く、通常よりもクレームなどが発生しやすくなり、オペレータはその対応へのプレッシャーを感じながら対応しなければいけなくなります。
その結果、オペレータは精神的な負担を感じやすくなるため、対応品質の低下や疲労蓄積につながります。また、こうした状況が続けば、オペレータのモチベーションの低下や離職リスクの上昇を招く可能性もあります。
放棄呼を減らすためにできる施策
放棄呼を削減するためには、短期的に効果が出やすい施策と、中長期的に効果を発揮する構造的な改善の両面から取り組むことが重要です。ここでは、それぞれの観点から具体的な施策を解説します。
- 今すぐできる施策:IVR・待ち時間体験の改善、問い合わせ手段の拡充
- 中長期施策:対応体制とオペレータリソースの改善、ボイスボットの活用
今すぐできる施策
今すぐ取り組める施策として、顧客の「待ち体験」の見直しや問い合わせ手段の拡充などが挙げられます。
IVR・待ち時間体験の改善
コールバック機能を再確認したり、待ち時間アナウンスの改善を行ったりすることで、顧客の離脱を止め、放棄呼の減少につなげましょう。
IVRを導入している際には、IVRの導線の整備も不可欠です。階層を多くし過ぎないこと、ガイダンスが冗長にならないようにすることなどに気を付けてユーザーにとってわかりやすく操作性の高い案内に改善しましょう。
問い合わせ手段の拡充
チャットやフォームなど他の問い合わせ手段の設置を検討しましょう。
呼量を減らせば、放棄呼は自然に下がるため、電話以外の問い合わせ手段を拡充することも有効です。
また、FAQなどの自己解決手段を設置することで、問い合わせ・コール数自体が減少し、放棄呼の削減が見込めます。
中長期施策
中長期的に放棄呼を減らすためには、対応仕組みそのものの改善やボイスボットの活用などの施策が有効です。
対応体制とオペレータリソースの改善
より本質的に放棄呼を改善するには、対応体制そのものの見直しが不可欠です。
オペレータの増員やスキル向上のための研修を実施することで、1件あたりの処理時間を短縮し、応答可能な件数を増やすことができます。
あわせて、入電データをもとにピーク時間帯を分析し、シフトを再設計するなど、オペレータリソース配分の最適化を図ることも効果的です。
単純に人員を増やすだけでなく、運用体制全体を見直すことで、安定した応答体制を構築できます。
ボイスボットの活用
問い合わせのうち、定型的な内容が一定割合を占める場合には、自動化システム・ツールの導入も有効な選択肢です。
AIを活用したボイスボットを導入すれば、24時間365日、設定した問い合わせに自動で対応できます。
ボイスボットで完結できる問い合わせは応答率100%で対応し、さらにオペレータの対応が必要な場合も一次受付を事前に行うことで、オペレータの負担を軽減し、対応待ち時間を短縮できるため、結果として放棄呼の減少につながります。
特に、営業時間外の一次受付や簡易な案内を自動化することで、人的リソースをより付加価値の高い対応に集中させることが可能になります。
放棄呼への対策は仕組みから見直すことが大切
放棄呼は、単なる待ち時間の問題ではなく、機会損失や顧客満足度の低下、オペレータ負担の増大につながる重要な経営指標です。
放棄呼を減らすための対策としては、IVRの改善や問い合わせ手段の拡充といった即効性のある施策に加え、オペレータ体制の最適化や問い合わせ対応の自動化の活用など、中長期的な視点での構造改革も欠かせません。
AIボイスボット「commubo(コミュボ)」は、24時間365日即時応答が可能な自然会話型AIボイスボットです。一次受付や定型問い合わせを自動化することで顧客の待ち状態を防ぎ、放棄呼の抑制とオペレータ負担の軽減を同時に実現します。
放棄呼を一時的に減らすのではなく、安定的に改善できる体制を構築したい場合は、仕組みからの見直しが不可欠です。
AIボイスボットの活用による対策をご検討の方は、ぜひソフトフロントジャパンまでお気軽にお問い合わせください。

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