コールリーズンとは?分析方法や分析結果の活用方法を解説

作成日:2026年4月16日 更新日:2026年4月16日

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「コールセンターの応対品質を上げたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」

「現場の課題を数値で示して、改善の根拠を明確にしたい!」


コールセンターの応答品質や業務効率を改善するためには、顧客がなぜ電話してきたのかを正しく把握することです。その鍵となるのがコールリーズン(入電目的)の分析です。


コールリーズンは、適切に設計・分類・集計することで、問い合わせ増加の原因や業務負荷の偏りを可視化する重要な指標になります。

一方で、正しく運用しなければ、改善施策の判断材料として活用できないデータになってしまう点にも注意が必要です。


この記事を読めば、データに基づいた効率的なセンター運営と、顧客満足度の向上を同時に実現する具体的なノウハウが手に入ります。

コールリーズンとは?

コールセンター運営において、コールリーズンは重要な基礎データのひとつです。まずは基本的な定義と似た用語との違いを確認しましょう。

コールリーズンとは顧客の電話目的

コールリーズンとは、顧客が電話をかけた直接的な理由やきっかけを指します。


入電の背景を正確に把握することで、問い合わせ削減や対応品質の向上、適切な人員配置などの具体的な改善施策につなげることができるため、効率的なセンター運営を実現するために、最も基礎となる重要なデータです。


例えば、「注文したい」や「操作方法が不明」といった、なぜ顧客が電話をしてきたかがコールリーズンにあたります。


オペレータは入電ごとにこの用件を応対履歴に正確に記録しなければなりません。


集計された情報をもとに、管理者はFAQ作成やマニュアル改定を検討可能です。

つまり、適切な事象の分類とデータ収集のプロセスこそが、センター全体の応対品質を向上させる起点と言えます。


正確な数値による現状分析は、将来的なコスト削減や満足度向上に直結します。

VOC(顧客の声)とは顧客の感情・要望

VOC(Voice of Customer)とは、対話のなかで顧客が発する主観的な意見や感情を指します。


表面的な用件の背景にある真のニーズを理解するうえで、欠かせない情報です。

例えば、サービスへの不満や感謝の言葉などが代表的な内容にあたります。

コールリーズンとVOCの違い

コールリーズンは、顧客が電話をかけた用件・事実を分類した定量データです。

たとえば「請求内容の確認」「操作方法の問い合わせ」といった入電目的を整理・集計するものです。


一方、VOC(Voice of Customer)は、応対の中で顧客が発した意見や要望、不満などの感情や評価を含む定性的な情報を指します。


つまり、コールリーズンは何のための電話かを示す事実データであり、VOCはどのように感じているかという顧客の声です。両者は性質が異なるため、区別して管理することが重要です。


コールリーズンで入電傾向を把握し、VOCで背景や感情を補足することで、課題をより立体的に捉えることができます。

コールリーズン分析はなぜ必要か?

コールリーズンを分析する目的は多岐にわたります。センターが抱える様々な課題を可視化して、改善の方向性を定めるために有効な手段です。


代表的な3つのメリットについて、具体的に確認しましょう。

入電傾向の把握による運営の効率化

コールリーズンを詳細に分析すると、センター運営の効率は格段に向上します。


問い合わせ内容ごとの入電数や処理時間を可視化することで、精度の高い要員配置を実現できるからです。


混雑が予想される時間帯へスタッフを最適に割り振れば、顧客の待ち時間を大幅に減らせます。


たとえば、以下の傾向が把握できれば、スキルレベルに応じた要員配置が可能になります。

  • 午前中は契約内容の確認が多く処理時間が短い
  • 夕方はトラブル・クレーム関連が増加し処理時間が長い

単純な入電数ではなく、件数 × 処理時間で負荷を算出することで、より精度の高いシフト設計が実現できます。


その結果、過不足のない人員配置が可能となり、待ち時間の削減と生産性向上の両立につながります。

繁閑差対策としての自動化活用

要員配置の最適化に加え、繁閑差を吸収する仕組みを組み合わせることも有効です。特に定型的な問い合わせが多いコールリーズンについては、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」のような自動応答ソリューションを活用することで、ピーク時の負荷を平準化できます。

トークスクリプトの最適化による品質の向上

分析結果をもとにトークスクリプトを最適化すれば、応対品質は着実に向上します。トークスクリプトの最適化には、大きく二つのアプローチがあります。

未整備領域のマニュアル化

コールリーズン分析により頻出しているにもかかわらず、明確な手順や案内例が整備されていない問い合わせを特定します。これらを新たにマニュアル化・標準化することで、対応の属人化を防ぎ、基本品質を底上げできます。


特に新人研修では、入電割合の高いコールリーズンから優先的に教育することで、早期戦力化が可能になります。

既存スクリプトのブラッシュアップ

すでにスクリプトが存在する場合でも、分析によって改善余地が見えてきます。 

たとえば、

  • 処理時間が長い項目
  • 折り返しや転送が多い項目
  • クレームにつながりやすい項目

これらを特定し、説明順の見直しや確認項目の整理、不要なトークの削減などを行うことで、より分かりやすく効率的なスクリプトへ改善できます。


整理されたスクリプトを全体で共有すれば、ベテランに近い水準の案内を誰もが再現できるようになります。現場の声を反映しながら継続的に更新していくことが、センター全体の品質維持と顧客満足度向上につながります。

サイレント・インシデントのリスクの回避

コールリーズン分析は、顕在化していない問題が静かに拡大していく潜在的な問題(いわゆる“サイレント・インシデント”)の早期発見と対応に役立ちます。


サイレント・インシデントとは、大きなクレームとして表面化する前に、特定の問い合わせが徐々に増加していくような状態を指します。


個々の入電は目立たなくても、同種の問い合わせが一定期間にわたり増加している場合、製品不具合や仕様変更の影響、Web上の誤解を招く表記など、構造的な問題が潜んでいる可能性があります。


コールリーズンごとの入電数や処理時間を継続的にモニタリングすれば、こうした「小さな変化」を数値として捉えることができます。特定の用件だけが急増している、あるいは通常より対応時間が長期化しているといった兆候を把握することで、本格的なトラブルに発展する前に対策を講じることが可能です。


日々の分析と迅速な報告体制を整えることが、重大な損失の未然防止とブランド信頼の維持につながります。

失敗しないコールリーズン分析の3ステップとは?

コールリーズン分析を成功させるには、

  • 処理時間が長い項目
  • 運用ルールの決定
  • ツールの活用

という3つのステップが重要です。

以下では、3ステップの具体的な内容を詳しく確認します。

適切なカテゴリを設定する

コールリーズン分析の精度を高めるためには、適切なカテゴリ設計が欠かせません。


カテゴリ設計とは、入電内容を漏れや重複なく整理し、誰が分類しても同じ結果になるようにルールを定めることです。


たとえば、以下のように段階的に具体化していきます。

  • 大分類:契約関連/請求関連/操作方法/トラブル
  • 中分類:契約内容の確認/契約変更/請求金額の内訳確認/支払方法変更
  • 小分類:オプション解約/住所変更/請求書未着/アプリのログイン不具合

このように階層を整理することで、請求か契約か判断が分かれるといった曖昧さを防ぎ、担当者によるばらつきを抑えられます。さらに、どのような問い合わせが、どの粒度で増えているのかを正確に把握できるようになります。


現場の直感だけに頼らず、顧客がどのような言葉で困りごとを表現しているかを踏まえて項目を設計することが重要です。


カテゴリを用いれば、情報の漏れや重複を確実に防ぐことが可能です。現場の直感だけに頼らず、顧客の視点を取り入れた項目を作成しましょう。

カテゴリ設計をしている場合、どういったメリットがあるか

実態に即したカテゴリ設計を行うことで、改善施策の精度は大きく高まります。


たとえば、解約関連という大分類だけで管理している場合、入電が増えていても原因は見えません。しかし、以下のように中分類・小分類まで整理されていれば「料金プランの見直しが必要なのか」「Webサイトの説明に課題があるのか」といった具体的な打ち手を判断できます。

  • 料金への不満による解約
  • サービス内容の誤認による解約
  • 手続き方法が分からないことによる解約

また、請求関連の問い合わせが増加している場合でも、小分類まで把握できていれば、請求書未着が原因なのか、請求金額の誤認が原因なのかを切り分けられます。その結果、発送プロセスの改善やFAQの修正など、対策を的確に講じることが可能になります。


このように、階層化されたカテゴリは単なる集計のための枠組みではなく、課題の所在を特定するために機能します。正確なデータが継続的に蓄積されることで、問題の早期発見と迅速な改善につながります。

「その他」を増やさないための運用ルールを決める

改善につながる正確な傾向把握を行うために、「その他」の割合を抑制する運用ルールを定めます。


分類に当てはまらない項目が増えると、正確な傾向の把握は困難になります。オペレータが判断に迷い、安易に不明項目を選択しないよう、定義を明確にしてください。


たとえば、通信業界で新料金プランの提供開始後に「想定より請求金額が高い」という問い合わせが増加したとします。


しかし、カテゴリに「新料金プランに関する請求誤認」という項目がなく、以下のような分類しか存在しなかった場合、多くのオペレータが判断に迷い、「その他」を選択してしまう可能性があります。

  • 請求金額の確認
  • 契約内容の確認
  • その他

本来であれば「新料金プランの説明不足」という重要な事象として独立管理すべき内容であっても、「その他」に埋もれてしまえば増加傾向に気づくのが遅れます。その結果、Web上の説明修正やFAQの追記といった対策が後手に回り、問い合わせの増加が長期化してしまいます。


このように、定期的に「その他」の内訳を精査し、新たなカテゴリを追加するサイクルを定着させておかなければ、重要な兆候を見逃すリスクが高まります。不明瞭なデータを最小限に抑えることが、課題を迅速に特定するための前提条件となります。

ツールを活用して効率的にデータを収集・集計する

データの収集を円滑に進めるためには、専用ツールの積極的な活用が大きな効果を発揮します。


手動による入力負担を軽減できれば、より正確な情報を大量に蓄積することが可能です。従来のCRMへの入力・データの蓄積に加えて、近年は音声認識による文字起こしと、生成AIによる通話内容要約、カテゴライズなどの手法が普及しています。


システムが対話内容から情報を自動処理する仕組みは、現場の生産性向上に寄与します。

コールリーズン分析の結果を実務でどう活用するか?

コールリーズン分析を実務に活かせば、センターの価値は飛躍的に高まります。

FAQ・Webサイト・自動化ツールへの反映による自己解決の促進

定型的なコールリーズンをFAQやWebサイトへ反映させれば、顧客の自己解決を促せます。

Web上で疑問が解消される環境を整えれば、入電数を直接的に削減できるからです。


さらに、問い合わせが多くFAQで解決できない項目を以下の自動化ツールへ追加します。

  • チャットボット
  • IVR/ビジュアルIVR
  • AIボイスボット

呼量が多いコールリーズンかつ、回答が定型的な内容なものは自動化し、有人対応が必要な複雑なコールリーズンへリソースを集中させれば、センター全体の運営効率を高めることが可能です


顧客が自力で問題を解決できる導線を整えて、利便性の高いサービスを提供し続けるのが重要です。


ボイスボットやIVR、チャットボットとの違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。

ボイスボットとは?どこまで自動化できる?仕組み・メリット・活用事例を紹介


応対フローの改善による応対品質の標準化

応対フローの改善を継続的に行うことで、顧客が迷わず目的の窓口へたどり着けるように出来ます。


特に重要なのが導線の最適化です。

入電件数の多い順に自動音声応答のメニューを並べ替えるだけでも、体験は大きく変わるものです。


分析結果をもとにトークフローを見直せば、担当者が変わっても一定の品質を保てます。

スタッフの心理的負担を軽減する効果も期待できる

迅速で的確な案内を可能にする体制は、スタッフの心理的負担を軽減する効果もあります。


応対の標準化は、センター全体の信頼性を支える基盤です。現場の状況に合わせてフローを更新することが、組織運営の基本といえます。


品質のばらつきを抑える管理体制を整え、より質の高い顧客体験を提供しましょう。

製品・サービス開発部門への改善フィードバック

コールリーズンの分析データを活用すれば、製品やサービスの質を根本から向上させられます。「使いにくい」といった顧客の声は、改善に直結する重要なインサイトとなるからです。


定量的な根拠を開発やマーケティング部門へフィードバックすれば、説得力のある提案が行えます。コールリーズン分析で得た顧客の声を、製品・サービス開発やマーケティング部門へ連携しましょう。

コールリーズンの運用で失敗しないための注意点とは?

コールリーズンは集計するだけでなく、正しく運用し続けることが大切です。


入力ルールが徹底されなかったり、カテゴリの見直しが行われなかったりすると、データの精度が徐々に低下します。

その結果、実態を反映しない集計結果となり、分析が形骸化してしまいます。


失敗を防ぐための具体的な注意点を確認しましょう。

現場の入力負荷を考慮した項目設計

コールリーズンの収集では、入力負荷とデータ精度のバランスを保つ設計が不可欠です。


項目を細かくしすぎると、入力負担が増え、ミスや形骸化を招きかねません。現場が迷わず操作できるシンプルな選択肢を準備する必要があります。


改善策としてはシステムによる自動入力を活用することで、後処理時間の短縮につながります。


無理のない運用体制を整えれば、データの信頼性は長期的に維持できます。オペレータが応対に集中できる環境を整え、分析の質を高めましょう。

項目内容を最新に保つ定期メンテナンス

収集する分類項目は、常に最新の状態へアップデートしておくことが重要です。 


項目内容を定期的に見直すことで、現在発生している課題を正確に捉えられるようになります。 


逆に、カテゴリが古いまま運用されていると、市場の変化や新商品の発売に対応できず、実態と合わない選択肢が残り続けます。その結果、オペレータが適切な分類を選べず「その他」へ流れてしまったり、本来注目すべき新たな問い合わせ傾向が埋もれてしまったりします。 


たとえば、SaaS企業が新機能をリリースしたにもかかわらず、カテゴリに当該機能に関する項目が追加されていない場合、関連する問い合わせは既存の「操作方法」や「不具合」などに分散して登録されます。 


本来であれば「新機能に関する操作不明」という独立した課題として把握すべき事象でも、増加傾向に気づくのが遅れ、UI改善や説明強化といった対応が後手に回る可能性があります。 


このような事態を防ぐためにも、定期的にカテゴリを精査し、不要な選択肢の削除と新規項目の追加を行うことが欠かせません。分類項目を最新化し続けることが、正確な分析と迅速な意思決定を支える前提条件となります。 


常に現状を反映したカテゴリを維持し、分析の価値を最大化させましょう。 

分析を改善アクションへ繋げる仕組み作り

データを集計するだけで終わらせず、具体的な改善アクションまで落とし込む仕組みを整えることが重要です。組織全体で課題解決に取り組む体制がなければ、センターの存在価値は高まりません。


たとえば他部署との定例会を設け現場の声を共有し、改善策を実行するサイクルを回し数値の背後にある顧客心理を正確に伝えると、全社的なサービス向上への道筋は明確になります。組織が一丸となって課題に向き合う姿勢こそが、分析を実務に活かす最大の鍵です。


単なる報告で終わらせず、成果が出るまで責任を持って追跡する体制を構築する必要があります。確実な改善アクションを一つずつ積み重ね、理想的な顧客体験の実現を目指しましょう。

コールリーズン分析で継続的なセンター改善を実現しよう

コールリーズン分析を進めると、有人対応が本当に必要な問い合わせと、定型的な一次対応で完結する問い合わせが明確になります。たとえば、営業時間の確認や支払方法の案内、手続き方法の説明など、内容が固定化されている用件は、自動化との相性が良い領域です。


こうしたコールリーズンを切り分けたうえで自動応答システムを導入すれば、オペレータはより高度な対応や個別性の高いコールリーズンに集中できるようになります。結果として、応対品質の向上と業務効率化を同時に実現できます。


その際に有効なのが、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」です。commuboは自然な対話による一次受付や簡単なFAQ等に対応しており、定型問い合わせの自動処理とデータ蓄積を同時に実現できます。さらに、取得したテキストデータを活用すれば、コールリーズン分析の精度向上にもつながります。


コールリーズン分析で自動化すべき領域を可視化し、その解決手段としてAIボイスボットを組み合わせることが、持続的なセンター改善の近道です。導入や具体的な活用方法については、ぜひソフトフロントジャパンへご相談ください。

Commubo Laboロゴ

commuboラボとは?

AIを活用した業務効率化×顧客満足向上を研究するメディアです。
今まで400社以上に電話応対自動化ソリューションを提供してきたソフトフロントが、自動化の考え方や、ボイスボット活用のコツ、お客様の活用事例、AI活用のトレンドなどをご紹介し、企業の生産性向上だけでなく、その先のお客様の顧客体験(CX)向上に役立つ情報を提供していきます。